「国際結婚」の婚姻届は日本人同士の婚姻届とどう違うの?書き方は?

目次

はじめに

「国際結婚」をする場合でも、婚姻届の様式は日本人同士の結婚の時と同じです。特別な用紙が用意されているわけではありません。英語や他の言語に翻訳されたものもありません。

「婚姻届」は、各市区町村役場に備え付けられているほか、イラスト付きなどの素敵な「婚姻届」を、様々なサイトからダウンロードできるようになっています。婚姻届を役所に提出することは、単なる生活上の手続きとは違うものがあると思いますので、ご自分の好きな用紙を使って提出するのも良い思い出になるでしょう。

ただ、婚姻届は返却されません。「思い出」として取っておくためだけではなく、結婚ビザの申請の際に中身の情報が必要となることがありますので、写真又はコピー、スキャンなどで必ず保管するようにしておいて下さい。

婚姻届の書き方

「婚姻届」の記入例

こちらは、国際結婚をする時の婚姻届の記入例です。新郎も新婦も架空の人物です。新郎が日本人で、新婦がフィリピン人の場合を想定しています。大きさはA3サイズです。

全て手書きでなくとも、パソコン入力でも構いませんが、押印が無い場合、署名は手書きで行う必要があります。また押印は2021年9月1日より不要となりました。

「婚姻届」書き方の注意点

外国人の氏名

外国人の氏名はカタカナで表記します。

ミドルネームがある場合

ミドルネームがある場合は「氏」に入れるか、「名」に入れるか選択してください。「名」に入れる方が多いようですが、「名」に入れる場合は「ファーストネーム ミドルネーム」の順に記載します。記入例のアンジェラさんは、ミドルネームがお母さまの旧姓の設定ですので、「氏」に入れています。

漢字の場合

お相手が中国人や韓国人の場合は、「カタカナ表記」か「漢字表記+ふりがな」を選ぶことができます。ただ、漢字表記の場合は、日本国内で使用できる漢字に限られますので、役所の事前相談時、または提出時に確認しましょう。

名字がない場合

国によっては、氏(名字)お持ちでない外国人の方もいらっしゃいます。その場合は、「氏」の欄は空白でかまいません。「名」の欄に全ての名前を書いてください。入りきらない場合は、行を変えて書いてもOKです。

生年月日

生年月日は、日本人は元号で、外国人は西暦で記載してください。証人の欄も同じです。

住所、本籍地

外国人のお相手が日本に住んでいる場合のみ、外国人の住所を書きます。外国に住んでいる場合は記入例のように国名だけを書きます。お相手が日本に住んでいる場合でも本籍地は必要ありません。外国人の国名のみで大丈夫です。国名は提出時に指摘されないよう、正式名称を書いてください。

世帯主と筆頭者

世帯主は「住民票」の世帯主の欄に書かれています。日本人が結婚前は一人暮らしだった場合は、本人が世帯主になります。記入例では、蒼汰さんは豊中市で一人暮らしをしているので、本人の名前が書かれています。この場合、当然のことながら、住民票は豊中に移されていなければなりません。

筆頭者は「戸籍」の一番上に書かれている人の名前です。一番上に書かれているというだけであまり意味はありません。

父母及び義父母の氏名

日本人側の父母が婚姻中であれば、どちらかの名字を省略することができます。外国人の両親の場合は省略せずに、名字と名前の間に「,(カンマ)」を入れて下さい。

婚姻後の夫婦の氏

ここは✓しないで下さい。国際結婚の場合はここを選択することができません。選択すると二重線で訂正されます。

国際結婚の場合、基本は夫婦別姓ですが、どちらかが相手の氏に変更することも可能です。日本人が氏を変更する場合は、「外国人との婚姻による氏の変更届」を提出する必要がありますが、婚姻届と同時でなくとも6か月以内であればいつでも提出可能です。ただ、名字を変更すると、免許証、パスポート、国家資格、貯金口座など、あらゆる書類の名字も変更しなくてはいけませんので、面倒ではあります。

新本籍地の選び方

新本籍地は、地番のあるところなら日本全国どこを選んでもかまいません。地番があるかどうかは、本籍地の市区町村役場に問い合わせれば教えてもらえます。とはいえ、縁もゆかりもない場所を新本籍地にする方は少ないでしょう。一般的には、「日本人の結婚前の本籍地」か「新住所の所在地」が選ばれます。

手間や時間を省略したいのであれば、「日本人の結婚前の本籍地」が良いでしょう。その他の場所を選んだ場合、免許証やパスポート、国家資格などの書類の本籍地も変更しなければならないからです。

同居を始めた時

結婚式も同居もまだの場合は空欄で構いません。

初婚・再婚の別

配偶者が亡くなった場合は、死別を、離婚による別れは離別を選択します。これらが2回以上ある場合は、直近の情報を記載してください。年月日は元号で記載します。

同居を始める前の夫妻のそれぞれの世帯の主な仕事

国際結婚をする前から一人暮らしの方は、自分の仕事を、実家住まいであれば、生計維持者(父母)の仕事を書きます。記入例では、蒼汰さんは独り暮らしのサラリーマンを想定しています。また、アンジェラさんはご実家が農業などをされている想定です。この欄はあまり厳密に選択する必要はありません。

夫妻の職業

国税調査は5年に一度しか行われませんので、それ以外の年に結婚する方はこの欄は空欄で構いません。

その他

日本で先に結婚する場合には、ここは空欄で構いません。外国で先に結婚された場合は、「結婚証明書」などがあるはずですので、婚姻成立の日を書き抜き、「令和〇年〇月〇日 【国名】の方式で婚姻成立」と記入してください。

届出人の署名

2021年9月より押印は必要なくなりましたので、署名だけでかまいません。外国人の筆記体の署名は識別が難しいと不可とされる場合がありますので、事前相談で聞いておくか、サインの下に、自筆でブロック体の文字を追加しておくと良いでしょう。

押印をしない場合は、新郎新婦どちらの名前も「自署」が必要です。パソコンで作成した場合も、署名欄だけは自署で記入しましょう。

証人

日本で先に結婚する場合

婚姻届の証人は誰がなっても構いませんが、ビザ申請のことも鑑みて、できるだけ近い親族の方にお願いしましょう。父母がだめであれば兄弟姉妹、祖父祖母、叔父叔母、その他の親戚、それもかなわない場合は友人となります。両親が国際結婚を把握しているとなれば、結婚ビザの申請で少し有利になるからです。

外国で先に結婚する場合

この欄は空欄で構いません。すでに外国で正式に婚姻が成立しているため、証人などは必要ないということです。

日中の連絡先

ちょっと離れた場所にあるので、見落とし注意ですね。これで婚姻届は完成です。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

A31枚だけの婚姻届ですが、一生に何回も出すものではありませんので、細かなところでつまずかれることも予想できます。この記事が、国際結婚を経て新たなご家庭をスタートされる方の一助となれましたら幸いです。

もし、国際結婚での諸手続きやビザ申請でお困りの際は、行政書士長尾真由子事務所にお問い合わせ下さい。あなたの手となり足となり、力を尽くさせていただきます。相談料は無料です。

行政書士長尾真由子事務所
対応可能地域

大阪府 箕面市、池田市、豊中市、茨木市、吹田市、大阪市

兵庫県 川西市、尼崎市、宝塚市、西宮市

いずれも公共交通機関が利用できる地域を想定していますが、地域についてはご相談に応じます。

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この記事を書いた人

大阪府箕面市の行政書士です。
・趣味:美術鑑賞、散歩
・スポーツ:卓球、テニス
・座右の銘:失敗は成功のもと
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