【特定技能1号】所属機関が知っておくべき通算在留期間の除外ケース

目次

はじめに

在留資格「特定技能2号」には通算在留期間の上限がありません。一方で「特定技能1号」は、原則として通算5年以内に限られています。ここでいう「通算在留期間」には、特定技能1号で在留している間の就労していない期間や、再入国許可による出国期間(みなし再入国許可を含む)、さらに特定技能1号への移行を希望している場合の「特定活動」での在留期間も含まれます。

しかし、すべての在留期間が通算に含まれるわけではありません。制度上、一定の事情による休業や再入国不可の期間は通算在留期間から除外されます。

5年というのは長いようで短い期間です。せっかく育った従業員ですから、所属機関としてはできるだけ長く働いてもらいたいというのが本音でしょう。制度を正しく理解することで、所属機関は合法的により長い期間、外国人材に働いてもらうことが可能になります。

本記事では、通算在留期間に含まれない3つのケースについて解説します。

通算在留期間に含まれない3つのケース

次の3つのケースでは、対象期間は特定技能1号の通算在留期間に含まれません。

  1. 再入国が出来なかった場合
  2. 産前産後休業、育児休業の場合
  3. 病気・けがによる休業の場合

1.再入国ができなかった場合

対象

再入国許可(みなし再入国許可を含む)で出国したものの、新型コロナ感染症の拡大防止措置など、やむを得ない事情で再入国できなかった期間。

取扱い

在留資格は継続するが、その期間は通算在留期間に含まれない。

申請に必要な疎明資料

  1. 在留資格「特定技能1号」の申請書類
  2. 再入国出国期間に関する申立書(参考様式第1-28号)
  3. 再入国できなかった事情を証明する資料

1,2は出入国在留管理局のホームページからダウンロードすることができます。

  1. 在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁
  2. 特定技能関係の申請・届出様式一覧 | 出入国在留管理庁

2.産前産後休業、育児休業の場合

対象

労働基準法に基づく産前産後休業(産前6週間/多胎妊娠の場合14週間・産後8週間)、育児・介護休業法に基づく育児休業(原則1歳まで、保育所入所不可の場合は1歳6か月、再延長で2歳まで)。

取扱い

休業期間中も在留資格は継続するが、その期間は通算在留期間に含まれない。

申請に必要な疎明資料

  1. 在留資格「特定技能1号」の申請書類
  2. 休業期間に関する申立書(参考様式第1-30号)
  3. 母子健康手帳の写し
  4. 休業取得を証明する資料(会社の証明書など)
  5. タイムカードや出勤簿の写し

1,2は出入国在留管理局のホームページからダウンロードすることができます。

  1. 在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁
  2. 特定技能関係の申請・届出様式一覧 | 出入国在留管理庁

3.病気・けがによる休業の場合

対象

病気や怪我により1号特定技能外国人として活動できない期間。原則1年以内、労災の場合は3年以内。

注意点

休業は連続1か月以上である必要があり、数日の療養や断続的な通院は対象外。

申請に必要な疎明資料

  1. 休業期間に関する申立書(参考様式第1-30号)
  2. 医師の診断書や入院証明書
  3. 労災保険の支給決定通知書(労災の場合)
  4. タイムカード・出勤簿の写し
  5. 給与明細や給与振込口座の通帳写し

1は出入国在留管理局のホームページからダウンロードすることができます。

  1. 特定技能関係の申請・届出様式一覧 | 出入国在留管理庁

通算在留期間が分からない時の対処法

とはいえ、長年働いてきてくれた特定技能外国人の在留期間がどれぐらいになっているのかが正確に把握できていない、若しくは転職で入職した外国人なので、前職の正確な在留期間が分からないという場合はどうすれば良いでしょうか。

その場合は、出入国在留管理局に、特定技能1号外国人の「出入国記録」を開示請求してください。開示請求の際は、請求書の余白に「通算在留期間の確認のため」と明記しましょう。

請求は郵送でします。電話では答えてもらえませんので注意しましょう。

開示文書は郵送で、約1か月後に送られてきます。1か月以上かかることも予想しておいて下さい。

開示請求の詳しい内容は、以下の出入国在留管理局のサイトをご覧ください。

「出入(帰)国記録に係る開示請求について」

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の記事では、「通算5年以内」が原則の特定技能1号の期間について、その期間に算入されない3つのケースについてお伝えしました。

通算在留期間に含まれない3つのケース

  1. 再入国が出来なかった場合
  2. 産前産後休業、育児休業の場合
  3. 病気・けがによる休業の場合

特定技能2号評価試験等に不合格となった場合

尚、「特定技能2号評価試験等に不合格となった場合」についての期間の特例措置については、以下のブログ記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

通算在留期間は原則5年とされていますが、再入国ができなかった期間や産前産後・育児休業、さらには病気や怪我による休業については通算に含まれません。所属機関は本人の状況を正しく把握し、必要な疎明資料を準備することで安心して申請を進めることができます。そして、制度を正しく理解し、本人に丁寧に説明することが、信頼関係の維持にもつながります。

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長尾真由子事務所では、所属機関が安心して外国人材を受け入れられるよう、自社支援の仕組みづくりから申請書類の整備、本人への説明サポートまで一貫してご支援しています。

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「制度を正しく理解し、安心して外国人材に長く働いてもらう」ために、ぜひ当事務所のサポートをご活用ください。

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この記事を書いた人

大阪府箕面市の行政書士です。
・趣味:美術鑑賞、散歩
・スポーツ:卓球、テニス
・座右の銘:失敗は成功のもと
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