はじめに
特定技能1号外国人の自社支援を検討している所属機関であれば、社内で申請取次を行うことも視野に入れていることでしょう。その際に活用したいのが、出入国在留管理局が提供する「在留申請オンラインシステム」です。このシステムを利用することで、手間とコストを抑えながら、各種在留資格の申請を効率的に進めることができます。
以下が「在留申請オンラインシステム」のトップ画面です。この画面までは誰でもアクセスできますが、実際に申請を行うためには、まず申請等取次者として承認を受け、その後「新規利用申出」を行い、認証IDの交付を受ける必要があります。

申請取次者の承認については、前回のブログ記事で詳しく解説しました。合わせてお読みいただけますと幸いです。

オンライン申請のメリット
申請等取次者の登録が完了したら、次のステップとしてオンライン申請の手続きに進みましょう。オンラインシステムの利用は任意ではありますが、実務上は大きなメリットがあり、自社で特定技能の手続きを進めるのであれば実質的に必須と言える仕組みです。主なメリットは以下のとおりです。
- 窓口に行く必要がなく、待ち時間ゼロで手続きできる
受付時間に合わせて移動したり、順番待ちをする必要がなく、担当者の業務時間に合わせて進められる。 - 手数料が安くなる(窓口6,000円 → オンライン5,500円/2025年12月現在)
申請1件あたりのコストが確実に下がるため、年間の申請件数が多い企業ほどメリットが大きい。 - 郵送・持参が不要で、書類作成の手間が減る
印刷・押印・封入・郵送といった作業が不要になり、担当者の負担が大幅に軽減される。 - 24時間いつでも提出できる
夜間や早朝でも作業できるため、繁忙期でもスケジュール調整がしやすい。 - 提出後の到達が即時で、処理が早い
郵送のタイムラグがなく、届出や申請の進捗が早く動きやすい。 - 申請・届出の状況をオンラインで確認できる
「今どの段階か」が見えるため、社内共有やスケジュール管理がスムーズ。 - データ管理がしやすく、次回以降の手続きが効率化
過去の提出内容を参照しやすく、同じ情報を何度も入力する手間が減る。 - 複数の担当者で情報を共有しやすい
データで管理できるため、引き継ぎや担当者変更があってもスムーズに対応できる。
オンラインシステム利用を申し出る前に確認したいこと
オンラインシステムの新規利用申出に進む前に、以下の事を確認して下さい。
- オンラインシステム利用の申出を行う職員が、申請等取次者証明書を持っているか
- 所属機関が外国人の受入れの開始、終了等の届出を入管に行っているか
- 所属機関が「外国人雇用状況届出書」をハローワークに提出しているか
上記の問いに対する答えが全て「YES」であれば、新規利用申出に進んで下さい。
オンラインシステムを利用するための手続き
所属機関が「在留申請オンラインシステム」を利用したい場合は、所在地を管轄する地方出入国在留管理官署に新規利用申出を行う必要があります。
提出書類は以下の通りです。
- 必要書類チェックシート(新規利用申出)
- 在留申請オンラインシステム利用申出書
- 本人確認資料の写し
- 申請等取次者証明書の写し又は研修会の修了証書等の写し
- 在職証明書
- 誓約書
詳しくは所属機関・公益法人・登録支援機関の職員の方 | 出入国在留管理庁をご覧ください。
地方出入国在留管理局で審査が行われます。
承認されると承認メールが送られてきます。
オンライン申請を開始することができます。
※「在留申請オンラインシステム」の有効期間は、新規利用申出が承認され、パスワードを設定した日から1年間です。
有効期間満了後も継続して「在留申請オンラインシステム」の利用を希望する場合は、定期報告を行うと、有効期間が1年間更新されます。詳しい内容については、以下のサイトをご覧ください。
まとめ
特定技能の手続きを自社で進めるためには、まず所属機関としてオンライン申請を利用できる状態を整えることが欠かせません。申請等取次者の承認から新規利用申出までの流れを押さえておくことで、今後の申請や届出をスムーズに進められるようになります。オンライン化は担当者の負担を大きく減らし、手続きの正確性とスピードを高める重要な仕組みです。自社での運用体制を整え、特定技能の受入れをより安心して進めていきましょう。
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