特定技能1号「在留資格認定証明書交付申請」の「申請人に関する必要書類」❹❺の概要と注意点

目次

「申請人に関する必要書類」とは

特定技能1号への「在留資格変更許可申請」書類は、「申請人に関する必要書類」、「所属機関(法人)に関する必要書類」、「分野別必要書類」の3種類に分類されています。

3分類の中の一つである「申請人に関する必要書類」には以下の11種類の書類が必要書類として挙げられています。

申請人に関する必要書類
  1. 特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧表(在留資格認定証明書交付申請用)
  2. 在留資格認定証明書交付申請書【別記第6号の3様式】
  3. 特定技能外国人の報酬に関する説明書【参考様式第1-4号】
  4. 特定技能雇用契約書の写し【参考様式第1-5号】
  5. 以下の2点
    1. 雇用条件書の写し【参考様式第1-6号】
    2. 賃金の支払【参考様式第1-6号別紙】
  6. 雇用の経緯に係る説明書【参考様式第1-16号】
  7. 徴収費用の説明書【参考様式第1-9号】
  8. 以下の2点
    1. 健康診断個人票【参考様式第1-3号】
    2. 受診者の申告書【参考様式第1-3号別紙】
  9. 1号特定技能外国人支援計画書【参考様式第1-17号】
  10. 登録支援機関との支援委託契約に関する説明書【参考様式第1-25号】
  11. 二国間取決において定められた遵守すべき手続に係る書類

「申請人に関する必要書類」❹❺に関する概要と注意点

今回は、「在留資格認定証明書交付申請」書類のメインともいうべき❹雇用契約書と❺雇用条件書について解説をしていきたいと思います。

【参考様式】のある書類は全て下記の出入国在留管理局のサイトから取得することができます。

在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)

❹特定技能雇用契約書の写し【参考様式第1-5号】

こちらは、出入国在留管理局が用意をしてくれている契約書になります。受入れい機関と外国人の雇用契約になりますので、受入れ機関の捺印と外国人のサインが必要です。

下記はベトナム語併記の雇用契約書です。雇用契約書は雇用しようとする外国人が理解できる言葉で書く必要があり、出入国在留管理局のサイトには、10か国語に対応した書類が用意されています。特定技能関係の申請・届出様式一覧 | 出入国在留管理庁のサイトの一番下に、それぞれの国の言語で書かれた書類が列挙されています。

また、参考様式には書かれていませんが、トラブルを避けるためにも、雇用契約書に下記の文言を追加して下さい。この文言が無いと、変更許可申請(ビザ申請)が不許可になっても雇用契約の効力は続きます。

「停止条件:本契約は日本政府により入国(在留)許可されない場合は発効しないものとする。」

こちらの文言も必ず翻訳してもらって下さい。

提出時は、「写し」でかまいません。ここでの写しとは、単純にコピーのことです。原本(捺印やサインが本物)の提出を嫌がる地方出入国在留管理署もありますので、「写し」が無難でしょう。

また、こちらは受入れ機関と外国人双方が、大切に保管しておくべき書類ですので、原本は2部作成して下さい。つまり、捺印とサインをもらった書類は2部作成する必要があるということです。外国人の人数が増えれば、外国人それぞれに2部ずつ必要になります。

❺雇用条件書の写し【参考様式第1-6号】|賃金の支払【参考様式第1-6号別紙】

こちらは2種類の書類で構成されています。「賃金の支払」は雇用条件書の中の「賃金」の部分をより詳細に説明するための書類となります。優先的に作成すべき書類の一つです。

作成に当たっては、社労士と相談するなどして、労働法に抵触しないようにして下さい。

雇用契約書と同様、外国人が理解できる言語への翻訳が必要です。

受入れ機関の代表者の捺印と、外国人のサインも必要です。捺印は1ページ目で、サインは雇用条件書の最後ですので見逃さないようにして下さい。

雇用契約書と同様に、提出時は「写し」が無難でしょう。

受入れ機関と外国人双方が、大切に保管しておくべき書類ですので、原本は一人の外国人につき2部作成して下さい。

特定技能所属機関の「代表者 役職・氏名」欄に受入れ機関の捺印が必要です。

1 雇用契約期間

労働基準法14条第1項により、3年を超える期間を記載することはできません。

(契約期間等)第14条
  1. 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、5年)を超える期間について締結してはならない。

雇用契約期間や入国予定日はあくまで予定の年月日でかまいません。「在留資格認定証明書交付申請」の審査期間を事前に知ることはできないからです。

Ⅱ 就業の場所

「派遣雇用」は農業及び漁業分野のみ可能です。他の分野での雇用の場合は、「直接雇用」に☑して下さい。

就業場所が複数ある場合には、主要な就業場所を明記した上で、(必要に応じて、任意の様式で)全て記載してください。

Ⅲ 従事すべき業務の内容

2業務区分は特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description) | 出入国在留管理庁をご覧ください。

Ⅳ 労働時間等

交代制の場合は、外国人が入るシフトを全て書いてください。

夜勤などで休憩時間が異なる場合には、「2 休憩時間」のところに「夜勤の場合○○分」と書き足しておきましょう。

Ⅵ 休暇

1 年次有給休暇

労働基準法第39条

使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

Ⅶ 賃金

1基本賃金

固定残業代がある場合には、固定残業代を除いた賃金の額、固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法、固定残業代を超えた時間外労働については割増賃金を追加で支払う旨を明示する必要があります。

3.所定時間外、休日又は深夜労働に対して支払われる割増賃金率

下記に算定方法が詳しく書かれています。

労働条件 : 法定労働時間(時間外、休日及び深夜の割増賃金) | 徳島労働局

賃金規定がある場合は、それに従ってください。外国人のみ割増賃金率を低くすることはできません。

11 休業手当

労働基準法第26条

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

Ⅷ.退職に関する事項

2.解雇の事由及び手続

以下の文言を追加して下さい。

「外国人労働者本人の過失その他の理由により、在留資格の変更・更新が不許可になり当社で就労できなくなった場合」

受取人とは、雇用契約の相手方の外国人のことです。署名欄にサインを貰ってください。

賃金の支払い

1.基本賃金

最低時給の改訂などにより、最低時給を下回らないように注意してください。

【固定残業代がある場合】

固定残業代がある場合には、固定残業代を除いた賃金の額、固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法、固定残業代を超えた時間外労働については割増賃金を追加で支払う旨を明示する必要があります。「○○手当」には、固定残業代に該当する手当の名称を記載してください。

4.賃金の支払時に控除する項目

どのような項目でどのくらいの額が賃金から
控除されるのかを申請人に説明するために、記載する項目です。

最終的に計算が合うか、確認しましょう。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事で扱った書類

❹雇用契約書

❺雇用条件書|賃金の支払い

捺印とサインが必要です

雇用契約書と雇用条件書には、受入れ機関の捺印と外国人のサインが必要です。捺印とサインの場所はそれぞれの書類の解説をご覧ください。

行政書士長尾真由子事務所
対応可能地域

大阪府 箕面市、池田市、豊中市、茨木市、吹田市、大阪市

兵庫県 川西市、尼崎市、宝塚市、西宮市

いずれも公共交通機関が利用できる地域を想定していますが、地域についてはご相談に応じます。

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この記事を書いた人

大阪府箕面市の行政書士です。
・趣味:美術鑑賞、散歩
・スポーツ:卓球、テニス
・座右の銘:失敗は成功のもと
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