ネパールでの手続きがあります
ネパール人を特定技能外国人として雇用する場合、他の国と異なる点は、ネパール人がネパール国内で「海外労働許可証」を取得しなければならないという点です。
フィリピンのMWOやベトナムの推薦者表のように、日本側の受入れ機関が申請をして、許可や認定を受ける必要はありません。
ただし、受入機関は、雇用をしようとするネパール人に「海外労働許可証」のことを説明しておく必要はあります。
今回は、この「海外労働許可証」を含めて、ネパール人を雇用する時の手続きについて、「ネパールにいるネパール人の雇用する場合」と「日本にいるネパール人を雇用する場合」に分けて解説していきます。
ネパールにいるネパール人を雇用する場合
ネパールにいるネパール人を雇用する場合は、ネパール人が査証を取得した後に、「ネパール労働・雇用・社会保障省海外雇用局日本担当部門」に対して「海外労働許可証」発行の申請をしなければなりません。
それでは、手続きの流れを順に説明していきます。合わせて、下の出入国在留管理局のホームページに掲載されている図もご覧ください。
まずは、日本の受入機関(特定技能所属機関)が求人を出し、「特定技能の試験に合格したネパール人」もしくは「技能実習2号を良好に修了したネパール人」を採用します。
採用に当たっては、受入れ機関の直接採用もできますし、駐日ネパール大使館に求人申込を提出することもできます(有料)。この場合、求人情報は駐日ネパール大使館から「ネパール労働・雇用・社会保障省海外雇用局(Department of Foreign Employment)日本担当部門」に送られ、求職者に開示されます。
受入機関は、ネパール人をネパールから新たに特定技能外国人として受け入れたい場合、特定技能に係る雇用契約を締結します。日本語とネパール語が併記された雇用契約書と雇用条件書は出入国在留管理庁のホームページから入手できますので、そちらを使用してください。
受入機関は、当該ネパール人の就業場所となる地域を管轄する地方出入国在留管理官署に対し、特定技能に係る在留資格認定証明書の交付申請を行ってください。オンライン申請の場合は管轄を調べる必要はありません。
在留資格認定証明書は別名COE(Certificate of Eligibility)と言います。申請してからCOEの交付までには1か月から3カ月かかるとされています。特に東京や大阪の出入国在留管理署は混雑していますので、そちらに申請する場合は時間に余裕をもって申請してください。
また、必ずしも交付されるとは限りません。「不交付の場合には雇用契約が終了すること」をあらかじめ雇用契約書に書いておくと、ネパール側とのトラブルを防ぐことができます。
交付されたCOEは、国際郵便などで雇用契約を結んだネパール人に送ります。これがないとネパール人は出国できません。COEには期限があり、特定技能ネパール人には、発行日から3カ月以内に日本に入国してもらう必要があります。
雇用契約を結んだネパール人は、上記❸で郵送したCOEを在ネパール日本国大使館に提示して、特定技能に係る査証発給申請を行います。
査証が発給されたネパール人は、指定の医療機関で健康診断を受診し、出国前オリエンテーション(2~3日間)を受講します。
ネパール人は、出国前に「海外労働保険への加入」や「海外労働者社会福祉基金」への一定額の支払いを求められます。「海外労働保険」の保険内容の指定はされていません。
ネパール人は、ネパール労働・雇用・社会保障省海外雇用局日本担当部門に対し、オンラインで「海外労働許可証」の発行を申請して取得しなければなりません。「海外労働許可証」はネパールを出国する際、出国審査において確認されるそうです。
以上❻~❽の手続の所要日数は、大体10日間程度とのことです。
上記の手続を行ったネパール人は、日本での上陸審査を受け、上陸条件に適合していると認められれば上陸が許可されます。その後「特定技能」の在留資格が付与されます。

出典:出入国在留管理局ホームページ|ネパールに関する情報
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri06_00104.html
日本にいるネパール人を雇用する場合
日本にいるネパール人を雇用する場合の「海外労働許可証」は、ネパール人が一時帰国をした際に申請・取得をします。
それでは、手続きの流れを順に説明していきます。合わせて、下の出入国在留管理局のホームページに掲載されている図もご覧ください。
受入機関は、日本に在留するネパール国籍の方を特定技能外国人として受け入れたい場合、特定技能に係る雇用契約を締結します。
ネパール人が特定技能外国人として就労するためには、地方出入国在留管理官署に対し、「特定技能」への在留資格変更許可申請を行う必要があります。申請先は、ネパール人の住所地を管轄する出入国在留管理署です。オンライン申請では管轄は問われません。
在留資格の変更が許可されれば、手続は完了です。ただし、認定申請と同様に、必ずしも申請が許可されるわけではありませんので、雇用契約書に不許可時の雇用契約終了事項を書いておきましょう。
次の❹~❻は、ネパール人が一時帰国をした際の手続きです。
在留資格変更が許可された後、ネパール人が「特定技能」の在留資格を保有したまま再入国許可(みなし再入国許可を含む。)制度を利用してネパールに一時帰国する場合、「ネパール労働・雇用・社会保障省海外雇用局日本担当部門に海外労働許可証」の発行を申請・取得する必要があります。
「海外労働許可証」はネパールを出国する際、出国審査において確認されるそうです。
無事に日本に戻り、仕事を再開してもらうことができます。

出典:出入国在留管理局ホームページ|ネパールに関する情報
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri06_00104.html
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
特定技能でネパール人を雇用する場合は、ネパール人に「海外労働許可証」を申請して取得してもらう必要があります。受入機関の義務ではありませんが、「海外労働許可証」がないと、ネパール人は自国を出ることができませんので、事前の説明は欠かせません。
「ネパールにいるネパール人を雇用する場合」にネパール人に説明しておくべき事項を以下にまとめました。
特定技能ネパール人に就労前に説明しておくこと
- 「海外労働許可証」をオンラインで申請し、取得すること
- 「海外労働保険」に加入し、保険料を支払う必要があること
- 「海外労働者社会福祉基金」に対して支払いが生じること
- 出国前に指定の医療機関で健康診断を受診すること
- 出国前に2~3日のオリエンテーションを受講しなければならないこと
駐日ネパール大使館
〔所在地〕〒153-0064 東京都目黒区下目黒6-20-28 福川ハウスB
〔電話番号〕03-3713-6241、6242
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