外国人が日本人と結婚して日本で暮らすまでの流れ~婚姻届・結婚ビザの手続き~

目次

外国人が日本人と結婚する時のビザ

外国人が日本人と結婚する場合、必ずしも日本においてビザ(在留資格、以下同じ)を取得する必要はありません。ビザは日本に滞在するために必要なものですので、外国に住む場合にはそもそも不要なものとなります。

同様に、外国で結婚生活を営むのであれば、婚姻届も必ずしも必要とはいえません。ただし、日本では法律的に夫婦と認められないということになります。

外国で先に結婚した場合の日本での「婚姻届」は、「報告的婚姻届」と呼ばれ、提出書類が少なく、証人も必要ありません。いずれは夫婦で日本に住もうと考えておられる場合は、日本の「婚姻届」も提出しておいた方が良いでしょう。外国での正式な婚姻日から3カ月以内の提出が求められていますが、3カ月を過ぎたからと言って受け付けられないということはありません。

日本の「婚姻届」を提出すると、日本人の方の戸籍に外国人配偶者のお名前が記載されます。ビザ申請には、お二人の婚姻事実の記載がある戸籍が必要になりますので、日本に住む予定がある場合には先に届け出ておいたほうがビザ申請の際の手続きが楽になります。

婚姻届提出から日本入国までの流れ

STEP
日本の役所で婚姻届を出す

「婚姻届」の詳しい流れや提出書類については、下記のブログ記事に書いています。海外で先に結婚するか、日本で先に結婚するかによって提出書類が少し変わってきますので、合わせてお読みください。

STEP
申請に必要な書類を準備する

申請に必要な書類は以下の通りです。

  1. 申請書(入管HPより取得可能)
  2. 外国人配偶者の方の写真
  3. 日本人配偶者の方の戸籍謄本(婚姻後のもの)
  4. 外国人配偶者の国の機関から発行された結婚証明書
  5. 日本での滞在費用を証明する資料
  6. 日本人配偶者のの身元保証書(入管HPより取得可能)
  7. 日本人配偶者の世帯全員の記載のある住民票の写し
  8. 質問書(入管のHPより各国語のPDFあり)
  9. 夫婦間の交流が確認できる資料(スナップ写真やSNSの記録など)
  10. 返信用封筒
STEP
結婚ビザの申請をする

正式には「日本人の配偶者等」の在留資格申請といいます。申請場所は、お二人または日本人の方の住所地を管轄する出入国在留管理署です。すでに他の在留資格をお持ちの外国人の方と結婚される場合には、「パスポート」と「在留カード」の原本の提示が必要です。在留カードは、外国人に携帯が義務付けられていますので、他の方が申請に赴く場合には、パスポートと在留カードのコピーをとって、申請の間は、外国人配偶者の方に携帯してもらいましょう。また、何故在留カードを携帯していないのかの理由を書いた紙を用意し、日本人配偶者や取次申請者(弁護士や行政書士など)の名前と連絡先を記載しておくと良いでしょう。

STEP
申請が許可される

必ずしも申請が許可されるわけではありません。不許可の場合は、どうして不許可であったのかを提出した出入国在留管理署に尋ねましょう。その後、不許可理由を解消し、再申請を行います。

外国人配偶者の方が国内にすでにお住いの方であれば、新しい在留カードが発行されます。在留カードには期限がありますので、更新申請が必要です。「日本人の配偶者等」のビザは比較的自由度の高い在留資格ですが、期限を過ぎた在留資格のまま日本に住んでいると、当然のことながら不法滞在となりますので、ご注意ください。

国外にお住いの外国人配偶者の方が申請を許可された場合は、ステップ5に進みます。

STEP
COEを送り、査証を申請する

COEとは在留資格認定証明書ざいりゅうしかくにんていしょうめいしょのことです。申請が許可されるとCOEが発行されますので、これを外国人配偶者のもとに送ります。外国人配偶者はCOEを持って、その国の日本の大使館又は領事館に赴き、査証の発給の申請を行い、査証を取得します。査証の申請には、COEのほかに、申請書、パスポート、指定されたサイズの写真1枚、手数料が基本的に必要です。国やビザの種類によっては身元保証書や警察証明書、財政証明書などの追加書類が求められる場合があります。ビザを発行するための手数料についても、国やビザの種類によって異なりますので、その国の日本大使館・領事館に必ず確認してから申請してください。

STEP
外国人配偶者が日本に入国する

COEは発行年月日から3カ月間の期限があります。査証も発給の日から3カ月の期限がありあます。つまりどちらかの期限が切れるまでに日本に入国する必要があります。

また、期限内のパスポート、査証、COEが揃っている場合でも、「出入国管理及び難民認定法第5条」の上陸の拒否事由に当てはまった場合は、入国を拒否されてしまいます。

以下は「出入国管理及び難民認定法第5条」の分かりやすいよう要約したものです。

「出入国管理及び難民認定法第5条」の要約

(上陸の拒否)
第五条の各号のいずれかに当てはまる外国人は、日本に上陸することができません。

  1. 感染症の患者
  2. 精神障害の者で、事理を弁識する能力がなく、補助をするものもいない者
  3. 貧困者、放浪者で国や地方自治体の世話が必要になりそうな者
  4. 日本または海外で、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者(政治犯を除く)
  5. 麻薬、大麻、あへん、覚醒剤又は向精神薬の取締りに関する法律(日本、海外含む)に違反して刑に処せられたことのある者
  6. 麻薬及び向精神薬取締法、あへん法、覚醒剤取締法に定める麻薬・覚醒剤若しくは覚醒剤原料又はあへん煙を吸食する器具を不法に所持する者
  7. 売春又はその周旋、勧誘、その場所の提供その他売春に直接に関係がある業務に従事したことのある者
  8. 銃砲刀剣類所持等取締法に定める銃砲、クロスボウ若しくは刀剣類又は火薬類取締法に定める火薬類を不法に所持する者
  9. 次のイからヘに当てはまる者で、それぞれに定める期間を経過していないもの
    イ 6と8の理由で退去強制を受けた者で、1年を経過していない者
    ロ 第二十四条各号のいずれかに該当して本邦からの退去を強制され、自ら退去したもので、退去の日から1年を経過しない者
    ハ 第二十四条各号のいずれかに該当して本邦からの退去を強制され、自ら退去せず、強制的に退去させられた者で、退去の日から5年を経過しない者
    ニ 第二十四条各号のいずれかに該当して本邦からの退去を複数回において強制された者で、退去の日から十年を経過しない者

以下は当てはまる方も少ないと思いますので省略します。詳しくは以下のサイトをご確認ください。

参照:G-gov 法令検索|出入国管理及び難民認定法

https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回のブログ記事では、外国人の方が日本人と結婚して、日本に住むための手続きの流れを解説しました。

  1. 日本の役所で婚姻届を出す
  2. 申請に必要な書類を準備する
  3. 結婚ビザの申請をする
  4. 申請が許可される、不許可の場合は再申請
  5. COEを送り、査証を申請する
  6. 外国人配偶者が日本に入国する

いかがだったでしょうか。日本人同士の結婚と違い、かなり色々な手続きを踏む必要がありますね。婚姻届一つをとっても、外国からの書類と、日本人側の書類を複数用意しなければなりません。ましてや、結婚ビザの申請となると、準備しなければならない書類も多岐に渡ります。

もし、国際結婚に際して、「何から始めて良いのか分からない」、「自分たちでやってみたものの、お互い忙しく、うまく手続きが進まない」、「書類はこれで良いのか分からないし、調べる時間もない」などのお悩みがございましたら、ぜひ一度、行政書士長尾真由子事務所までお問い合わせ下さい。結婚生活30年の女性行政書士が、親身になってご相談に当たらせていただきます。相談料は無料です。

行政書士長尾真由子事務所
対応可能地域

大阪府 箕面市、池田市、豊中市、茨木市、吹田市、大阪市

兵庫県 川西市、尼崎市、宝塚市、西宮市

いずれも公共交通機関が利用できる地域を想定していますが、地域についてはご相談に応じます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大阪府箕面市の行政書士です。
・趣味:美術鑑賞、散歩
・スポーツ:卓球、テニス
・座右の銘:失敗は成功のもと
\お気軽にお問い合わせください/

目次