特定技能1号の在留期間
特定技能1号の在留期間は5年ですが・・・
特定技能1号の在留期間は最大で5年ですが、「在留資格変更許可申請」や「在留資格認定証明書交付申請」で特定技能の在留資格を得たとしても、5年間同じ在留カードで滞在できるわけではありません。外国人が引き続き特定技能1号で日本に滞在したい場合は、最低でも1年に1回の更新が必要です。
「出入国管理及び難民認定法施行規則 第3条「在留期間」別表第二」には、特定技能1号の在留期間が1年、6カ月月、4カ月と定められています。ほとんどの外国人と受入れ機関は、より長い在留期間を希望するはずですので、希望の在留期間は1年としておきます。
それでも、6カ月や4カ月分の在留資格が下りてしまった場合は、6カ月後、4カ月の期限が切れてしまう前に、更新申請をする必要があります。
一 法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行う者にあつては、一年、六月又は四月
黄色の下線部は特定技能1号のことです。
特定技能1号外国人が在留資格更新するには
特定技能1号外国人が、引き続き「特定技能1号」の在留資格で日本に滞在し就業したい場合は、「在留期間更新許可申請」を管轄の地方出入国在留管理署に行います。
本来の制度上は、外国人本人が申請人となり、申請書を揃え、地方出入国管理署に申請書を持参することになっています。「在留期間更新許可申請」は確かに、「在留資格変更許可申請」や「在留資格認定証明書交付申請」に比べると、提出書類は少なく簡単に感じるかもしれませんが、それでもかなりのボリュームがありますし、課税証明書や納税証明書は日本人でも必須記載事項を見逃すことがあります。
できれば、受入れ機関の職員の方がきっちりとサポートされることをお勧めします。といのも、更新申請は、今ある在留資格の期限が来る前に申請しなければならないからです。在留期限は、在留カードに記されています。
法第二十一条第二項の規定により在留期間の更新を申請しようとする外国人は、在留期間の満了する日までに、別記第三十号の二様式による申請書一通を地方入国管理局に出頭して提出しなければならない。
「在留資格更新許可申請」はいつからできるの?
この「在留期間更新許可申請」は、1年以上の在留期間を付与されている人は、在留期限の3か月前から申請することができます。
「6月」や「4月」など、1年未満の在留期間を付与されている人は、在留期限の1か月前くらいからが申請の目安となります。
審査にはどれぐらかかるの?
「在留資格更新許可申請」を提出してから、審査結果が分かるまで、およそ1週間から2カ月かかります。東京や大阪などは混雑していますので、他の地方出入国在留管理署より時間がかかる傾向にあります。また、多くの留学生が在留資格の変更、更新をする3月も混雑が予想され、通常よりも日数が必要になることがあります。
では、申請を出している間に、在留期限が来てしまった場合はどうすればよいのでしょうか?不法滞在になってしまうのでしょうか?
審査中に在留期限が来てしまったら・・・
審査中に在留期限が来てしまっても、不法滞在にはなりません。
- 従前の在留期間の満了日から2カ月を経過する日
- 従前の在留期間の満了日から処分がなされた日
のいずれか早い日までは適法に在留できます。
では、処分がなされずに2カ月たってしまった場合はどうすればよいのでしょうか?
更新や変更申請の場合、このような事態にならないように2カ月以内に処分が出されることになっていますので、在留期限から2カ月を超えそうな時は、申請をした出入国在留管理署に問い合わせてみましょう。もしかすると、郵便事情の不具合により、結果は出ていても結果通知が届いていない可能性があるからです。
また、審査中は、在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に申請中であることが記載されます(オンラインによる申請の場合を除く。)。
「在留期間更新許可申請」の手続きと流れ
まずは、申請人となる外国人の在留カードを見て、在留期限の確認をしましょう。在留期限の3カ月前から更新申請をすることができますので、早目に期限を確認し、およその「在留期間更新許可申請」日を決めて行動を起こしていきましょう。
特定技能1号の「在留期間更新許可申請」では、外国人の日本在留中の源泉徴収票や課税証明書、納税証明書がの提出が必要です。また、少数派ではあると思いますが、国民健康保険や国民年金に加入している場合は、保険料納付の証明書が求められます。
これらの書類の収集は慣れない外国人にとっては大変な作業です。また、課税証明書、納税証明書は求められる記載内容と異なる記載内容や、年度のものを取得してしまうと取り直しが必要となってきます。
できれば、受入れ機関の職員の方などが代理で取得したり、役所に付き添われることをお勧めします。または、更新申請自体を行政書士にご依頼いただくことで、これらの書類の収集を丸投げすることもできます。
上記の書類の詳しい取得方法をブログ記事にまとめていますので、よろしければ下記をご覧ください。
最低時給上昇により、賃金が変更された場合は特に注意が必要です。前回の雇用条件書を丸写しする前に、時給換算した時に、外国人の給与が現在の最低時給を下回っていないか必ず確認しましょう。
その他にも変更点がある場合は、それを雇用条件書に反映させてください。
雇用条件書以外の書類も作成していきます。書類については他の記事で詳しく説明する予定です。
収集した書類と作成した書類を合わせて、管轄の出入国在留管理署に提出します。外国人の住居地を管轄する出入国在留管理署に提出します。
全国の地方出入国管理署は↓のサイトからご覧いただけます。
地方出入国在留管理官署 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
また、それぞれの管理署のボタンをクリックすると、管轄の支局や出張所の情報を得ることができます。管轄の都道府県に該当するか、分担区域の欄で「在留資格更新許可申請」が行えるかどうか確認し、両方を満たしている場合には、支局や出張所に申請してもかまいません。
また、登録は必要ですが、オンラインで申請をすることもできます。オンライン申請ではこちらで管轄を調べる必要はありません。
申請には手数料4,000円が必要です。処分が行われてから支払います。
- 申請人本人(日本での滞在を希望している外国人本人)
- 代理人
申請人本人の法定代理人 - 取次者
(1)地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けている次の者で、申請人から依頼を受けたもの
- 申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
- 申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
- 外国人が行う技能、技術又は知識を修得する活動の監理を行う団体
- 外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員
(2)地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士で、申請人から依頼を受けたもの
必ずしも許可されるとは限りません。在留期限を過ぎてから不許可の審査結果が出た場合には、出入国在留管理局から出国準備のための「特定活動」ビザへ変更するよう促されます(これに従わない場合はその時から不法滞在になります。)。通常は30日(または31日)の在留期間を与えられるので、その間に日本を出国する準備をして出国します。それを超えて日本にいると不法滞在です。
なお、出国準備期間中に在留資格変更の要件を満たす状況、かつ、必要書類が揃えば、在留資格変更申請が受理される可能性があります。不許可となった場合には早めに行政書士にご相談され、不許可理由の聞き取りから関わってもらうことをお勧めします。
不許可理由として多いのは、入社前に提出した資料と内容が異なったり、外国人の賃金が下げられていたりなど、会社側の理由によるものが多く見受けられます。一度不許可になると再申請は難しくなります。多額の初期費用を支払って雇用した人材を失ってしまいかねませんので、安易な変更は控えて下さい。
許可されれば、【許可通知はがき】が届きますので、申請人である外国人が管轄の地方出入国在留管理署に在留カードを受け取りに行きます。行政書士が代理で受け取りに行くこともできます。
はがきにも書かれていますが、この時に4,000円分の収入印紙を購入して手数料を支払います。
在留カードの受け取りに【必要なもの】も全てはがきに書かれています。(許可通知はがき、現在の在留カード、パスポート、手数料納付書と4,000円分の収入印紙)
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
「在留期間更新許可申請」は、一度受け入れた外国人の在留資格の更新ですので、それほど大事には感じられないかもしれません。しかし、必ずしも更新が許可されるとは限りませんし、許可されなければ、多額の初期費用を支払って外国から来てもらった人材を失うことになってしまいます。
また、在留期限についての規定や書類の収集方法なども複雑で分かりにくいため、外国人本人が書類を用意して申請に赴くのは、かなりハードルの高いお話だと思います。
代わりに受入れ機関の職員の方が、他の仕事の合間にこのような慣れない書類を用意することも可能ですが、他の業務が滞る原因となってしまいます。このような時は、専門家の手を借りるのも一つの手段ではないでしょうか。
行政書士長尾真由子事務所は、慣れない「特定技能1号の書類作成、申請」をしっかりお手伝いさせていただきます。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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