【2026年度版】認定送出し機関を通さずに直接雇用でMWO申請するには~その要件とは?~

目次

認定送出し機関(PRA)とは

フィリピン人労働者を採用する際、「現地の認定送出し機関(エージェンシー)を通すと、初期費用や管理費がかさんでしまう…」「自社で直接スカウトした優秀な人材や、知人の紹介で出会った人材を、エージェンシーを挟まずにスムーズに雇用したい」と考えたことはありませんか?

結論から言うと、特定の「免除要件」を満たせば、送出し機関を通さずに直接雇用(ダイレクトハイヤリング)でMWO申請を行うことは可能です。

しかし、フィリピン政府は労働者保護の観点から「原則として直接雇用を禁止」しているため、この特例を利用するには厳しいハードルが存在します。さらに、実務上で非常に見落とされやすい「通算5人まで」という数制限の罠も……。

今回は、企業の採用担当者や受入れ機関の皆様に向けて、送出し機関なしで直接雇用するための最新要件と、制限を超えた場合の対策を徹底解説します。

なぜ原則禁止?フィリピンの「直接雇用(ダイレクトハイヤリング)」ルール

フィリピン政府(移住労働者省:DMW/旧POEA)の基本方針として、自国籍の労働者が不当な労働環境に置かれないよう、政府が公認した「認定送出し機関(PRA)」を間に挟むことを義務付けています。

このルールを無視して日本側だけで雇用手続きを進めてしまうと、フィリピン人労働者が現地を出国する際に必要な「OEC(海外雇用許可書)」が発給されず、空港で足止めを食らって出国できないという最悪のトラブルに発展します。

そのため、送出し機関を通さない「直接雇用(Direct Hire)」を行うには、必ずフィリピン政府から「直接雇用禁止の免除(Exemption on the Ban on Direct-Hire)」の承認を得る必要があります。

送出し機関なしでMWO申請するための「免除要件」

直接雇用が認められるのは、主に以下のような「高度人材・専門職」のカテゴリーに該当する場合のみです。

  • 企業の幹部・管理職: 取締役、CEO、主要部門のマネージャーなど
  • 専門職・技術職: ITエンジニア、研究者、高度な専門スキルを持つ人材(主に就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」などが該当)
  • 外交団・国際機関・政府高官に雇用されるケース

⚠️ 担当者が注意すべきポイント 一般的な「特定技能」や「技能実習」の在留資格は、原則としてこの免除対象には含まれません。基本的には送出し機関を通す必要があります。

知らないと実務が止まる「通算5人ルール」の罠

専門職(技術・人文知識・国際業務など)の外国人を直接雇用する場合に、多くの企業担当者様が見落としてしまうのが「人数の上限」です。

フィリピン政府の海外雇用規則(2016 Revised POEA Rules and Regulations)に基づき、「同一の雇用主(法人)が、送出し機関を通さずに直接雇用できるフィリピン人労働者は、累計で5名まで」と厳格に定められています。

これはMWO大阪が発行している公式チェックリストにも明記されているルールです。

ここに注意!「5名」のカウント方法

  • 「同時に雇用している人数」ではなく、「過去に直接雇用で受け入れた通算人数」です。
  • 過去に直接雇用した社員がすでに退職していたり、帰国していたりしても、カウントはリセットされません。

「うちはITエンジニアだから何人でも直接雇用できる」と思い込み、6人目の申請をMWOに出した段階で「上限オーバー」として手続きがストップしてしまうケースが実務上後を絶ちません。

6人目からはどうする?企業のリカバリー策

もし自社がすでに過去5名の直接雇用枠を使い切ってしまっている場合、6人目のフィリピン人専門職を採用するにはどうすればよいのでしょうか?

答えは、「原則通り、フィリピン現地の認定送出し機関(エージェンシー)を利用する手続き(Agency-hired)に切り替える」です。

6人目以降の手続きの流れ

  1. フィリピン現地の認定送出し機関(PRA)を選定し、エージェンシー契約を結ぶ
  2. その送出し機関を経由して、日本のMWO(東京または大阪)へ求人登録(Accreditation)の申請を行う
  3. MWOの承認後、現地で必要な手続きを進める

直接雇用に比べるとエージェンシーへの費用や共同募集の手続きが発生しますが、6人目以降はこのルートを踏まなければ合法的に出国させることができません。採用計画を立てる際は、自社の「過去の累積ビザ取得実績」を必ず確認しておきましょう。

直接雇用のMWO申請に必要なプロセス

免除要件を満たしている(5名以内である)場合、受入れ企業が自力でMWOと交渉を行います。

  1. 日本のMWO(東京・大阪)での審査と面接(フェーズ1):必要書類を日本のMWOへ提出し、受入れ企業の代表者(または人事責任者等)に対する面接(インタビュー)をパスして、書類の「認証」を受けます。
  2. フィリピン本国(DMW)への申請(フェーズ2): 認証書類を現地本人へ送付し、本人がマニラのDMW(移住労働者省)へ直接雇用免除(Clearance)の申請を行います。
  3. 【最重要】指定医療機関での「結核スクリーニング」受診DMWの手続きが進むことで、初めて現地本人は日本政府指定の医療機関で「入国前結核スクリーニング(JPETS)」を受診できるようになります。ここで「結核非発病証明書」を取得します。
  4. 出入国在留管理庁へのCOE(在留資格認定証明書)申請: 現地から届いた「結核非発病証明書」を添付書類の一部として含め、日本の入管へCOEの交付申請を行います。
  5. OECの発行・出国:COE交付後、DMWで最終的な確認を経て「OEC(海外雇用許可書)」が発給され、ようやく日本への渡航が可能になります。

スムーズなフィリピン雇用・MWO申請のために

送出し機関を通さない直接雇用は、コスト面やスピード面で大きなメリットがありますが、フィリピン政府独自の「5人ルール」や厳格な書類審査など、日本の入管手続きとは全く異なる知識が求められます。

「自社が免除要件に該当するのか分からない」 「5人のカウントや、6人目以降の手続きに不安がある」 「MWO大阪・東京への書類作成やインタビュー対策をプロに任せたい」

当事務所では、フィリピン人雇用の複雑なMWO申請やビザ手続き一連をサポートしております。社内リソースを無駄にせず、確実に入社まで導きたい受入れ機関の担当者様は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

大阪府箕面市の行政書士です。
・趣味:美術鑑賞、散歩
・スポーツ:卓球、テニス
・座右の銘:失敗は成功のもと
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