スペイン大使館から結婚要件具備証明書を取得する
「結婚要件具備証明書」とは
前回のブログ記事でもお伝えしたように、スペインでの結婚手続は、他の国の手続きと比べて複雑で、時間も手間もかかります。日本での婚姻手続きで必要とされる「結婚要件具備証明書」一つ取得するにも、他国と比べて多くの書類の提出が求められる上に、2名の証人を伴って、スペイン大使館で面接を受けなければなりません。
「結婚要件具備証明書」とは、配偶者がいないこと、婚姻適齢期にあること、再婚禁止期間にないことなど、結婚するための法律上の要件をすべて満たしていることを証明する文書です。「独身証明書」と似ていますが、「独身証明書」は単に配偶者がいないことを証明する文書ですので、厳密には同じとは言えません。日本で先に結婚する場合には、この「結婚要件具備証明書」を日本の役所に提出する必要があります。
日本で先にスペイン人と結婚する場合の手続きの流れについては、前回のブログ記事で詳しく述べていますので、そちらをご覧ください。

スペイン大使館から「結婚手続き」を取得する方法
今回のブログ記事は、2024年12月に取得したスペイン大使館発行の「結婚手続き(INFORMACIÓN SOBRE MATRIMONIO)」を基に作成しています。手続きの流れや必要書類が変更されることもありますので、必ず最新の「結婚手続き」について書かれた書類を、スペイン大使館から取り寄せてください。
まずは、下記からスペイン大使館にメールをします。電話でも構いませんが、私の複数回の架電の経験から言わせて頂くと、音声案内から担当者につながることはありませんでした。また、メールはスペイン語(google翻訳)と日本語で書いた時にみ返事が来ました(英語と日本語では返事が来ませんでした)。いずれにしても、私の経験上のお話ですので、参考程度にお読みください。
これらの経験から、スペイン人のパートナーの方に、スペイン大使館にスペイン語でメールをしていただくのが一番良い方法かと思われます。だいたい2週間ぐらいでお返事が来るようです。
もしくは、スペイン大使館のお近くにお住まいであったり、お近くに行く機会がある方は、直接行かれるのが、最も早く正確な情報を得ることができまるのでお勧めです。
駐日スペイン大使館
〒106-0032 東京都港区六本木1-3-29
電話番号: +81(0)3-3583-8531/2
ファックス番号: +81(0)3-3582-8627
メールアドレス:emb.tokio.reg@maec.es
スペイン大使館に提出が必要な書類
提出書類には、「申請用紙」と「スペイン人申請者が提出書類」と「日本人申請者が提出する書類」の3種類があります。
- 結婚手続申請用紙(Solicitud dirigida al Juez Encargado del Registro Civil)
- スペイン人申請者が提出する書類
- スペインの市民登録局が発行する出生証明書(抄本ではなく謄本)
- 居住地の市町村が発行する居住証明書
- パスポートまたは国民身分証明証(DNI)のコピー
- 日本人申請者が提出する書類
- 戸籍謄本(スペイン語訳付)
- 住民票(スペイン語訳付)
- パスポートの写し
1、結婚手続申請用紙
結婚手続申請用紙はスペイン語で「Solicitud dirigida al Juez Encargado del Registro Civil」です。これは、スペイン大使館に「結婚手続き(INFORMACIÓN SOBRE MATRIMONIO)」を請求すると、この書類の最後の方についてきます。
全てスペイン語で書かれていますので、スペイン人パートナーの方に書いて頂きましょう。最後に署名欄がありますので、スペイン人、日本人両人が直筆で署名をしてください。
2、スペイン人申請者が提出する書類
スペインの市民登録局が発行する出生証明書(謄本)
出生証明書はスペインで取得しなければなりません。スペイン人パートナーのスペイン在住のご家族やご親戚にお願いして取得していただいてください。取得していただく書類は妙本(しょうほん)ではなく、謄本の方です。抄本は一部のみを書き写した書類、謄本は全部を書き写した書類となります。
居住地の市町村が発行する居住証明書
日本で言う「住民票」のことです。何年分必要なのかをメールで問い合わせたところ、直近のもの、つまり現在の住所地の住民票のみでよいとのことでした(2025.1.27回答)。
ですので、スペイン人の方が日本にお住いの場合は、日本で「住民票の写し」を取得し、スペイン語訳を添付して提出することになります。スペイン大使館の資料によると、スペイン語訳はプロの翻訳会社に依頼しなければならないとされています。翻訳には翻訳会社の押印が必要です。
スペインの方が、外国にお住いの場合は、その国の住民票を取得する必要があります。こちらもスペイン語への翻訳が必要ですが、日本語とスペイン語以外の言語で書かれている場合は、スペイン外務省に登録されたTraductor Juradoによるスペイン語訳が必要です。Traductor Juradoは以下のリンクから探すことができます。
https://www.exteriores.gob.es/es/ServiciosAlCiudadano/Paginas/Traductores-Interpretes-Jurados.aspx
パスポートまたは国民身分証明証(DNI)のコピー
国民身分証明証(DNI)とは、スペイン人の身元と国籍を法的に証明するための書類で、カード形式になっているようです。国民身分証明証(DNI)には氏名、姓、生年月日、住所、性別などの個人データや臓器提供などのその他の重要なデータが記載されているとのことです。
3、日本人申請者が提出する書類
戸籍謄本(スペイン語訳付)
日本人は戸籍謄本の提出が必要です。こちらも抄本ではなく謄本を取得してください。プロの翻訳会社のスペイン語訳が必要ですが、Traductor Juradoでなくてもかまいません。翻訳には、翻訳会社の押印が必要です。
住民票(スペイン語訳付)
住民票はマイナンバーの記載のないものを提出します。こちらもプロの翻訳会社によるスペイン語への翻訳と翻訳会社の押印が必要です。
パスポートの写し
パスポートが無い場合は、新しく取得するか、他の書類の提出で、代わりとすることができないかをスペイン大使館に聞いてください。
提出方法
提出方法には以下の2つの方法があります。
- 駐日スペイン大使館の窓口に直接提出する
- 駐日スペイン大使館宛てに書留郵便で送付する
開館時間、閉館日、アクセスに関しては駐日スペイン大使館のホームページをご覧ください。
https://www.exteriores.gob.es/Embajadas/tokio/ja/Paginas/index.aspx
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回書いた記事は、「結婚要件具備証明書」を取得するためにスペイン大使館に提出が必要な書類のみです。この一つの書類を取得するために、以下の書類が必要です。
- 結婚手続申請用紙(Solicitud dirigida al Juez Encargado del Registro Civil)
- スペイン人申請者が提出する書類
- スペインの市民登録局が発行する出生証明書(抄本ではなく謄本)
- 居住地の市町村が発行する居住証明書
- パスポートまたは国民身分証明証(DNI)のコピー
- 日本人申請者が提出する書類
- 戸籍謄本(スペイン語訳付)
- 住民票(スペイン語訳付)
- パスポートの写し
また、これ以外にも、スペイン人の方が「在留届」を提出していない場合は、「結婚手続き(INFORMACIÓN SOBRE MATRIMONIO)」の最後に添付されている「R E G I S T R O C I V I L」を提出する必要があります。
スペイン人の方との結婚を考えているが、「スペインの婚姻手続きが大変複雑で、何から手を付けて良いか分からない」、「自分たちでやってみたが、途中で挫折しそうになっている」という方がおられましたら、お気軽に下記までご相談ください。
結婚30年の女性行政書士が、親身になってお話を聞かせていただきます。
対応可能地域
大阪府 箕面市、池田市、豊中市、茨木市、吹田市、大阪市
兵庫県 川西市、尼崎市、宝塚市、西宮市
いずれも公共交通機関が利用できる地域を想定していますが、地域についてはご相談に応じます。リモート対応も可能です。