日本にいる外国人が収集しなければならない書類
外国人がお役所から書類を収集するのは大変です
特定技能1号への「在留資格変更許可申請」で、申請人である外国人の方が取得しなければならない書類は、少なくても3種類、多くなると6種類もの書類があります。
そして、これらの書類を外国人本人に取ってきてもらう受入れ機関は意外と多いのですが、ことはそう簡単ではありません。日本人でも、どこで、どのような書類を取得すれば良いのか正確に分かっておられる方は少ないのではないでしょうか。
ましてや、慣れない外国での書類取得が簡単なはずがありません。外国人の方が間違った書類を取得すると、取り直しが必要になり、申請が遅れてしまいます。
できれば、日本人の関係者が役所に同行されるのが一番かと思います。また、代理で取得できるものもありますので、ご紹介していきたいと思います。
この記事に関する注意点
最初にお断りをしておきますが、申請人に関する書類は、市区町村役場や年金事務所、職場などですので、取得方法は一律ではありません。こちらの記事ではおおよそ共通の取得方法を記載していますが、都道府県や市区町村により独自の取得方法に関する規定がある場合があります。取得方法の詳細を役場や年金事務所に問い合わせてから、各種書類を取得するようにして下さい。
外国人に収集を求められる「申請人に関する必要書類」
日本にいる外国人が、特定技能1号外国人となるために必要な「在留資格変更申請」で求められる、外国人(申請人)に関する書類には、「全員に求められる書類」と「国民保険、国民年金の加入者にのみ求められる書類」の2種類があります。
- 申請人の個人住民税の課税証明書
- 申請人の住民税の納税証明書
- 申請人の給与所得の源泉徴収票の写し
上記3つの書類の関係性については、以下のブログ記事の【「申請人に関する必要書類」に関する概要と注意点】の【❾申請人の個人住民税の課税証明書・納税証明書・源泉徴収票】をご覧ください。
- 申請時点で申請人が「国民健康保険の被保険者」である場合
- 申請人の国民健康保険被保険者証の写し
- 申請人の国民健康保険料(税)納付証明書
- 申請時点で申請人が「国民年金の被保険者」である場合にのみ次のいずれか
- 申請人の国民年金保険料領収証書の写し
- 申請人の被保険者記録照会(納付Ⅱ)(被保険者記録照会回答票を含む)
全員に求められる書類(過去1年以内の在留諸申請において提出済みでない場合)の取得方法
申請人の個人住民税の課税証明書・納税証明書・源泉徴収票
住民税の課税証明書と納税証明書の取得方法は、ほぼ同じです。同時取得がお勧めですが、課税証明書と納税証明書の年度が異なる場合がありますので、申請と発行手続きには注意が必要です。
住民税の「課税証明書」「納税証明書」の取得方法
窓口申請で取得する方法
- 市役所/区役所に行くー 住民税の納税証明書は、住んでいる市区町村の役所で取得することができます。役所の開庁時間に合わせて、身分証明書を持参しましょう。
- 申請用紙の記入 ー役所に到着したら、窓口で申請用紙をもらい、必要事項を記入します。通常、以下の情報が必要です
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- マイナンバー(場合によっては不要)
- 申請料の支払い ー多くの市区町村では、納税証明書の発行に数百円程度の手数料がかかります。窓口で支払いましょう。
- 証明書の受け取り ー申請が受理されると、その場で証明書を発行してくれることが多いです。一部の市区町村では、後日郵送での受け取りとなる場合もあります。
誰かが代理で申請することもできます。その場合以下の手順を踏む必要があります。
- 委任状の準備 ー申請者本人が代理人に権限を委任するための委任状を準備します。市区町村の公式サイトからダウンロードできる場合もありますが、手書きでも構いません。
- 住民税の納税証明書は、住んでいる市区町村の役所で取得することができます。役所の開庁時間に合わせて、身分証明書を持参しましょう。
- 代理人の身分証明書ー 代理人の身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)が必要です。
- 申請者本人の身分証明書のコピーー 申請者本人の身分証明書のコピーも提出する必要があります。
- 申請が受理されると、その場で証明書を発行してくれることが多いです。一部の市区町村では、後日郵送での受け取りとなる場合もあります。
郵送で申請して取得する方法
- 必要書類の準備ー 申請書類には、以下が含まれます:
- 申請用紙(市区町村の公式サイトからダウンロード可能)
- 身分証明書のコピー
- 手数料(定額小為替または現金書留)
- 返信用封筒(返信先住所を記載し、切手を貼ったもの)
- 委任状の準備(代理申請の場合)ー 誰かが代理で申請する場合、委任状を同封してください。
- 市区町村の役所に送付 ー準備した書類一式を、市区町村の役所に郵送します。郵送先住所は市区町村の公式サイトで確認してください。
- 証明書の受け取りー 役所での処理が完了すると、返信用封筒で証明書が送付されます。
オンライン申請で取得する方法
一部の市区町村では、インターネットを利用したオンライン申請が可能です。以下の手順で行います
- 必要なもの
- マイナンバーカード
- 手数料の支払いに利用できるクレジットカードや電子マネーなど
- 市区町村の公式サイトにアクセスー 住んでいる市区町村の公式ウェブサイトにアクセスし、オンライン申請のページを探します。
- 申請フォームの入力ー オンラインの申請フォームに必要事項を入力します。紙の申請用紙と同じ情報が求められます。
- オンライン決済 ークレジットカードや電子マネーを使って、申請料をオンラインで支払いましょう。
- 証明書の受け取りー 郵送での受け取りが一般的ですが、市区町村によってはPDF形式でのデジタル配信も可能です。
コンビニエンスストアの交付サービスで取得する方法
マイナンバーカードを持っていると、コンビニエンスストアで各種証明書を取得できます。住民税の課税証明書もその中の一つとして利用できます。利用できる店舗については、次のリンクから検索してください。
参考:マイナンバー制度とマイナンバーカード|総務省、コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付|利用できる店舗情報
必要なもの
- マイナンバーカード
- 手数料
- コンビニでの発行には、手数料がかかります。現金、電子マネー、またはクレジットカードで支払い可能です。
手順
- マルチコピー機を見つける
- メニュー選択
- マルチコピー機の操作パネルで「行政サービス」を選択します。
- マイナンバーカードの読み取り
- 指示に従ってマイナンバーカードを読み取ります。
- 暗証番号の入力
- マイナンバーカードの暗証番号(4桁)を入力します。暗証番号を忘れた場合は、再設定が必要です。
- 証明書の種類選択
- 「住民税課税証明書」、「住民税納税証明書」を選びます。
- 申請内容の確認
- 画面に表示される申請内容を確認し、問題がなければ次へ進みます。
- 手数料の支払い
- 手数料を支払います。支払い方法は現金、電子マネー、クレジットカードなど。
- 証明書の発行
- 支払いが完了すると、マルチコピー機から証明書が印刷されます。
源泉徴収票の取得方法
源泉徴収票は、雇用者が従業員に対して発行する、年間の収入や所得税の詳細を記載した書類です。以下の手順で取得できます。
- 雇用者に依頼 ー多くの場合、源泉徴収票は毎年1月に雇用者から自動的に送付されます。もし受け取っていない場合は、雇用者の人事担当者に依頼しましょう。
- 再発行の申請 ー紛失した場合や、過去の年の源泉徴収票が必要な場合も、雇用者に再発行を依頼することが可能です。申請方法については、会社のポリシーに従ってください。
- オンラインシステムの利用ー 一部の企業では、オンラインポータルを通じて源泉徴収票をダウンロードできる場合もあります。雇用者の提供するポータルサイトにアクセスし、必要な情報を入力して取得しましょう。
- 退職後の場合ー 退職後に源泉徴収票が必要な場合は、最後に勤務していた会社に連絡し、発行を依頼します。退職後も一定期間は再発行に応じてもらえることが多いです。
国民保険、国民年金の加入者にのみ求められる書類(過去1年以内の在留諸申請において提出済みでない場合)の取得方法
「申請人の国民健康保険被保険者証の写し」の取得方法
国民健康保険被保険者証とは
国民健康保険被保険者証は、国民健康保険に加入していることを証明するカードです。この証は、病院やクリニックで医療サービスを受ける際に提示する必要があります。保険証には、加入者の名前、生年月日、保険証番号などが記載されており、医療費の一部が保険でカバーされるようになります。これにより、自己負担額が軽減され、安心して医療を受けることができます。
「写し」ですので、こちらをコピー機などでコピーして提出します。その際には、保険者番号・記号・番号をマスキング(黒塗り)して下さい。
上記は少し分かりにくいですが、見本です。
留学生と国民健康保険
日本にいる「特定技能1号」へ在留資格を変更したいという外国人と言えば、主に技能実習生と留学生になるかと思います。技能実習生は、実習先の会社の社会保険に加入している方が多いですので、在留資格変更申請時点で国民健康保険に加入している外国人といえば留学生が大半を占めます。
3カ月以上の留学を予定している外国人は全て、日本人と同じ「国民健康保険」への加入を義務づけられています。
留学生は基本的に、入国の際の住民登録と同時に、国民健康保険に加入します。後で加入することもできますが、加入前の保険料をさかのぼって支払う必要があります。
保険料は、前年度の所得(収入金額)によって決められ、各自治体によって金額が変わります。奨学金は収入に含まれません。保険料は、加入手続き後に納付書が送られてきますので、それが届いたら一括または分割で支払いをします。
また、所得によって支払う金額が安くなる、保険料の軽減を受けられる場合があります。この軽減を受けようとする時は、該当年度の所得が無い場合など、申告が必要なケースがありますので、お住いの市区町村役場に詳細をお問い合わせ下さい。
申請人の国民健康保険料(税)納付証明書
直近1年分の納付証明書が必要です。委任状を作成して、代理人に取得をお願いすることもできます。
- 持ち物
- 本人確認書類(在留カードやパスポートなど)
- 市区町村役場の窓口に行き、「国民健康保険料の納付証明書を取得したい」と伝えましょう。専用の申請書がある場合もありますので、窓口の担当者に確認して下さい。
- 手数料を支払い、納付証明書を受け取ります。
- 委任状の準備 ー申請者本人が代理人に権限を委任するための委任状を準備します。市区町村の公式サイトからダウンロードできる場合もありますが、手書きでも構いません。
- 代理人の身分証明書ー 代理人の身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)が必要です。
- 申請者本人の身分証明書のコピーー 申請者本人の身分証明書のコピーも提出する必要があります。
- 申請が受理されると、その場で証明書を発行してくれることが多いです。一部の市区町村では、後日郵送での受け取りとなる場合もあります。
※取得後は、基礎年金番号をマスキング(黒塗り)してから提出してください。
⓫申請人の国民年金保険料領収証書の写し・申請人の被保険者記録照会(納付Ⅱ)(被保険者記録照会回答票を含む)のいずれか
「申請人の国民年金保険料領収証書」の取得方法
外国人の方が銀行やコンビニで支払いを行った時に発行されます。
注意点
- 申請の日の属する月の前々月までの24か月分が必要です。
- 基礎年金番号をマスキング(黒塗り)して下さい。
申請人の被保険者記録照会(納付Ⅱ)(被保険者記録照会回答票を含む)の取得方法
以下のサイトに詳しく掲載されています。
また、都道府県によっては、電話での取り寄せが可能とのことです。
用意する情報(申請人)
- 基礎年金番号
- 住所
- 氏名
- 生年月日
- 電話番号
- 代理人にお願いする場合には、代理人の住所、氏名、電話番号、申請人との関係
申請先
最寄りの年金事務所
注意点
発行は郵送になりますので、1,2週間かかるそうです。お急ぎの場合には直接年金事務所に行かれることをお勧めします。
※取得後は、基礎年金番号をマスキング(黒塗り)してから提出してください。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
一口に申請人が収集すべき書類と言っても、申請人の職場や市区町村役場など、様々な関係機関に問い合わせて取得する必要があります。以下に主な取得先と取得できる書類をまとめてみました。
市区町村役場で取得できる書類
- 課税証明書
- 納税証明書
- 国民健康保険料(税)納付証明書
年金事務所で取得できる書類
被保険者記録照会(納付Ⅱ)(被保険者記録照会回答票を含む)
職場で取得できる書類
源泉徴収票
スムーズに「在留資格変更許可申請」を進めるためにも、書類の収集には手間取りたくないものです。日本にいる外国人の雇用で何かお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。相談は無料です。
対応可能地域
大阪府 箕面市、池田市、豊中市、茨木市、吹田市、大阪市
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