はじめに
前回のブログ記事では、外国にいる外国人が「特定技能1号」の在留資格を得るには「在留資格認定証明書交付申請」を行い、外国人に認定証明書を送る必要があることをお伝えしました。
タイトルにあるビザ申請とは、在留資格「認定、変更、更新」の申請の意味で使用しています。査証ではありませんので、気を付けてください。査証も在留資格もビザと呼ばれますが、全く別のものです。二つのビザの違いや、特定技能1号での役割を↓の記事で書いていますので、興味のある方はご覧ください。
特定技能1号への「在留資格認定証明書交付申請」書類
特定技能1号への「在留資格認定証明書交付申請」書類は、「申請人に関する必要書類」、「所属機関(法人)に関する必要書類」、「分野別必要書類」の3種類に分類されています。それぞれの書類を種類ごとにざっと紹介していきます。詳しくは、また別のブログ記事にしていきます。
申請人に関する必要書類
ここでの申請人とは、特定技能外国人として日本での就労を希望している外国人のことです。
- 特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧表
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 特定技能外国人の報酬に関する説明書
- 特定技能雇用契約書の写し
- 以下の2点
- 雇用条件書の写し
- 賃金の支払
- 雇用の経緯に係る説明書
- 徴収費用の説明書
- 以下の2点
- 健康診断個人票
- 受診者の申告書
- 1号特定技能外国人支援計画書
- 登録支援機関との支援委託契約に関する説明書(支援計画の実施の全部を登録支援機関に委託する場合に限り提出が必要)
- 二国間取決において定められた遵守すべき手続に係る書類
※上記❶~❾は全ての申請人にとって提出必須の書類です。
ただし、第2表の1に該当する「一定の実績があり適正な受入れが見込まれる機関」については❸❻❼の書類の提出を省略できます。
国内からの受け入れ比べると、少ない印象を持たれたかもしれません。「在留資格認定証明書交付申請」では外国人の在留実績を証明する書類(在留中の保険、年金、税金に関する書類)が必要ないため、「在留資格変更許可申請」と比べると少ない書類で申請をすることができます。
「在留資格変更許可申請」については、下記のブログ記事をご覧ください。
所属機関(法人)に関する必要書類
所属機関とは受入れ機関のことです。
提出書類の内容は、所属機関の条件によって変わります。所属機関の条件によって、提出書類の内容は「第2表の1」、「第2表の2」、「第2表の3」に分かれています。最も多い所属機関の条件は「第2表の2」の法人です。少数にはなりますが、「第2表の1」の対象の所属機関であれば、多くの所属機関に関する書類を省略することができます。
- 日本の証券取引所に上場している企業
- 保険業を営む相互会社
- 高度専門職省令第1条第1項各号の票の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)↓から確認できます。
- 一定の条件を満たす企業等 条件は↓から確認できます
- 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
- 電子届出システムの利用者登録をしている
※以上のいずれかに該当する受入れ機関であって、過去3年間に指導勧告書の交付を受けていない機関である必要があります。
下記の表が「第2表の1」になります。出入国在留管理局のサイトに用意されていますので、以下のリンクから取得してください。
在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
「第2表の1」の対象ではない法人
- 特定技能所属機関概要書(※1)
- 登記事項証明書(※1)
- 業務執行に関与する役員の住民票の写し(※1)
- 特定技能所属機関の役員に関する誓約書(※1)
- 次のAからCまでのいずれかの場合に応じた書類(※2)
- A)初めての受入れの場合ー労働保険料等納付証明書
- B)受入れ中の場合(※労働保険事務組合に事務委託していない場合)ー労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書(事業主控)の写し及び申告書に対応する領収証書(口座振替結果通知ハガキ)の写し
- C)受入れ中の場合(※労働保険事務組合に事務委託している場合)ー労働保険事務組合が発行した直近2年分の労働保険料等納入通知書の写し及び通知書に対応する領収証書(口座振替結果通知ハガキ)の写し
- 社会保険料納入状況回答票又は健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し(※2)
- 税務署発行の納税証明書(その3)(※2)
- 次のAからBまでのいずれかの場合に応じた書類(※2)
- A)初めての受入れの場合ー法人住民税の市町村発行の納税証明書(直近1年度分)
- B)受入れ中の場合ー法人住民税の市町村発行の納税証明書(直近2年度分)
- 公的義務履行に関する説明書
※1受け入れている任意の外国人に係る過去3年以内の在留諸申請において提出済み(現在もその内容に変更がなく、有効期限があるものは期限内の場合に限る。)の場合は提出を省略できできます。ただし、次の全ての条件に該当する場合に限られます。
①申請日までの過去2年にわたって継続して(特定の外国人に限らない。)特定技能外国人の受入れを行っていること
②申請日の前日から起算して1年以内に特定技能外国人の行方不明(受入れ機関の帰責性の有無を問わない。)を発生させていないこと
③申請日の前日から起算して1年以内に地方出入国在留管理局から指導勧告書の交付を受けていないこと
④申請日の前日から起算して3年以内に出入国管理及び難民認定法第19条の21第1項により改善命令を受けていないこと
⑤申請日の前日から起算して1年以内に特定技能に係る定期又は随時の届出(出入国管理及び難民認定法第19条の18に定めるもの。)を怠ったことがないこと
※2 受け入れている任意の外国人に係る過去2年以内の在留諸申請において提出済みの場合は提出を省略できるもの。ただし、現在も労働保険料等、社会保険料(健康保険・厚生年金保険料、国民健康保険料(税)、国民年金保険料)、税(国税、住民税)のいずれについても滞納がない場合に限る。
下記の表が「第2表の2」になります。出入国在留管理局のサイトに用意されていますので、以下のリンクから取得してください。
在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
個人事業主
下記の表が「第2表の3」になります。出入国在留管理局のサイトに用意されていますので、以下のリンクから取得してください。
在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
分野別必要書類
分野別必要書類は、その名の通り分野ごとに必要書類が異なります。
現在対象となっているのは全16分野ですが、24年9月から新しく追加された4分野の内の1分野である「自動車運送業」は、この記事を書いている時点ではまだ作成されていませんでした。
見本として「介護分野」と「外食業分野」の必要書類一覧を掲載しておきます。
他の分野の必要書類一覧も出入国在留管理局のサイトに用意されていますので、以下のリンクから取得してください。
在留資格「特定技能」 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
提出先
受入れ機関の受入事業所の住所を管轄する地方出入国在留管理署です。
全国の地方出入国管理署は↓のサイトからご覧いただけます。
地方出入国在留管理官署 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
また、それぞれの管理署のボタンをクリックすると、管轄の支局や出張所の情報を得ることができます。管轄の都道府県に該当するか、分担区域の欄で「在留資格認定証明書交付申請」が行えるかどうか確認し、両方を満たしている場合には、支局や出張所に申請してもかまいません。
また、オンライン申請の場合は、提出先を問われません。出入国管理局の方で自動的に割り振られます。追加書類がある場合や疑義が生じた場合には、割り振られた管理署(受入れ機関の受入事業所の住所を管轄する地方出入国在留管理署)から連絡があります。
審査期間
審査にかかる標準処理期間は、書類を提出してから1か月~3カ月程度です。ただし、標準の期間ですので、3か月以上かかることもあります。書類を提出してから管轄の出入国管理署に問い合わせることもできますが、明確な処分の日程は教えてもらえません。「○○月中には結果が出ると思います」と教えてもらえれば良い方です。
また、東京出入国管理署や大阪出入国在留管理署などはかなり混雑している様子で、処理期間も長い傾向にありますし、電話も非常に繋がりにくい状況です。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
外国にいる外国人が「特定技能1号」の在留資格をもって日本で就労しようとする場合は、管轄の地方出入国在留管理署に「在留資格認定証明書交付申請」を行い、「在留資格認定証明書(COE)」の交付を受けなければなりません。
今回は、「在留資格認定証明書交付申請」を行うに当たって必要となる書類をおおまかに列挙してみました。日本にいる外国人を雇用するために行う「在留資格変更申請」の書類より少ない書類で済むとはいえ、かなりのボリュームになります。
もし、特定技能1号への「在留資格認定証明書交付申請」に不安をお持ちでしたら、是非一度ご相談下さい。相談料は無料です。
対応可能地域
大阪府 箕面市、池田市、豊中市、茨木市、吹田市、大阪市
兵庫県 川西市、尼崎市、宝塚市、西宮市
いずれも公共交通機関が利用できる地域を想定していますが、地域についてはご相談に応じます。