MWOの面接とは
フィリピン人を特定技能外国人として受け入れるには、日本側で「在留資格変更許可申請」や「在留資格認定証明書交付申請」(以下ビザ申請)を行って許可を得る必要がありますが、それ以外に、フィリピン側の手続きである「MWO申請」をして許可を得る必要があります。
ベトナムやタイ、カンボジアのように、MWOの許可書類がビザ申請時に求められるわけではありませんが、特定技能でフィリピン人を受け入れたい場合には必要な手続です。詳しくは下記のブログ記事をご覧ください。
ただ、他の国々の手続きに比べて、かなり時間や手間のかかる手続きとなります。申請時に用意する書類は多岐に渡る上に、日本語の書類は英訳しなければなりません。MWOとのやり取りも、基本的に英語となります。また、MWOとのやり取りや申請書類の作成は受入れ機関が行うこととされており、登録支援機関や行政書士などの第三者は関与できないこととなっています。
このことは、今回お伝えする「面接」においても同じです。面接は英語で行われますし、第三者は同行できません。また、面接は基本的に東京か大阪のMWO事務所で行われますので、そちらにわざわざ出向く必要があります。必ずしも受入れ機関の最高責任者が赴く必要はありませんが、就業場所の長や採用担当者、MWO申請の担当者などが適任だと思われます。理由は以下の「MWO面接で聞かれること」に答えることのできる人材である必要があるからです。
MWO面接の流れ
MWO面接は、MWOの書類審査が終わってから、受入れ機関に面接依頼の連絡が入ります。この段階では書類はまだMWOの手元にあります。承認された書類が受入れ機関に返送されるのは、面接日の1週間ほど後になります。
- 管轄のMWOに書類を提出し、申請をする。
- MWOから面接依頼のメールが届く。(面接日は指定があると思います)
- メールに返事をする。MWOが設定した面接日を変更したい場合は、候補日を書く。
- 通訳者が必要な場合は、通訳者を予約する。
- MWOから面接の確認メールが来る。
- 面接日当日はMWOのメールに書かれた時間と場所を確認して、MWOの事務所に赴く。
- 面接を受ける。
- 面接日から1週間ほどで、承認された許可書類が受入れ機関に届く。
MWO面接で聞かれること
さて、それではMWO面接では何を聞かれるのでしょうか?
いままでの経験から以下のような事項が聞かれるようですが、どの受入れ機関も同じことを聞かれるわけではなさそうですが、下記項目は答えられるように準備はしておきましょう。また、下記項目に詳しい代表者、就業場所の長、採用担当者、ビザ申請の担当者などを最初から人選しておくと良いでしょう。
- 受入れ機関の概要(設立年月日、事業内容など)
- 受入れ事業所の内容(総職員数・外国人職員数など)
- 受入れ機関、事業所の外国人について(国籍、在留資格など)
- フィリピン人を選んだ理由
- フィリピン人の仕事内容、給料、勤務日数、休日など(日本人と同等かどうか)
- フィリピン人の住居の家賃、職場からの距離など
- フィリピン人の健康管理について
- フィリピンの送出機関の把握と連携内容、パートナーシップなど
最後の送出機関に関する質問は要注意です。第三者などに任せきってしまっていて、送出機関の名前も知らない、などといった事にならないよう、日ごろから送出機関とまめに連絡を取り合っておいて欲しいところです。ただし、そうもいかなかった場合は、最低でも送出機関の名前と代表者の名前ぐらいは事前におさえておいて下さい。
MWO面接に関するQ&A
Q 面接は必ずありますか?
A いいえ、面接はMWOから面接の依頼があった場合のみです。ただし、受入れ機関が面接の有無を選ぶことはできません。MWOが面接する受入れ機関をどのように選択しているかは不明です。前もって面接の有無を推測することは難しいでしょう。
Q 面接は何語ですか?
A 面接は英語で行われます。英語に自信のない受入れ機関の方が面接に行かれる場合には、通訳者を雇って面接に臨んでください。通訳者の料金は受入れ機関が支払います。オンライン面接でも通訳が必要な場合は通訳者を雇う必要があります。
Q オンライン面接は可能ですか?
A オンラインで面接をする場合もありますが、MWO事務所のある東京都や大阪府、またはその周辺地域にある受入れ機関は、基本的にMWO事務所での面接となるようです。
面接依頼時に、事務所かオンラインかの指定がありますので、そこからの変更はあまり期待できないと思っておいて下さい。ただ、お願いしてみることはできますので、変更を試みても良いかもしれません。
Q 出席しないとどうなりますか?
A 出席しないと申請書類は承認されず、受入れ機関のDMWへの登録もされず、もちろんフィリピン人へのOECの発行もありません。恐らく、申請した書類がそのまま返されてくるでしょう。
故意に出席しない受入れ機関は無いと思われますが、気を付けたいのは、MWOからのメールを見逃してしまうことです。迷惑メールに入っていたり、英語文で届くため、重要メールであると思わず見過ごしてしまう可能性があります。
MWO申請が終ったら、MWOからメールが届いていないか気を付けて見ておいて下さい。また、面接依頼以外でもメールでのやり取りが必要となる場合があります。MWO書類に記載するメールアドレスは担当者に連絡のつくメールアドレスを記載するようにしましょう。
Q 遅刻しそうな時はどうすればいいですか?
A 日本の相手方にするのと同じように、遅刻する旨をMWOに連絡してください。もしくは、通訳者の方を雇っておられる場合は、通訳者の方に通訳してもらってお話されるのも良いかと思われます。あまり無いとは思いますが、日時の変更を指定されるかもしれないからです。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回はMWOの面接について詳しく書いてみました。
MWOは日本の出入国在留管理局とは異なり、海外の機関であるためか、あいまいな部分や担当者次第の部分も多くあります。
フィリピン人を雇用したいけれど、MWOの申請ややり取りに不安をお感じになられた方は、是非当事務所までご連絡ください。相談は無料です。