自社で特定技能の手続きを進めたい方へ:職員が申請取次者になるための手続き

目次

はじめに

これまで登録支援機関に取次申請を依頼していた所属機関でも、自社支援へ移行するタイミングで「今後は登録支援機関に頼めない」と気づき、自社での取次を検討するケースが増えています。もちろん、弁護士や行政書士に依頼する方法もありますが、コストやスピードを考えて「できることは自社で進めたい」と判断する企業も少なくありません。

そこで本記事では、「自社で申請や手続きを行う」と決めた所属機関の方に向けて、所属機関の職員が申請取次者となるために必要な手続きや提出書類について、できるだけ分かりやすく解説していきます。

申請等取次者とは

出入国在留管理庁に対して、在留資格に関する申請や届出を「本人(外国人)に代わって提出できる人」のことです。

特定技能の受入れでは、

  • 所属機関(企業)
  • 登録支援機関
  • 行政書士・弁護士
    のいずれかが申請取次者として手続きを行うことができます。

可能となる手続きは?

所属機関の職員が申請取次者の承認を得ることで、以下の手続きを外国人に代わって行うことができます。

  • 在留資格認定証明書交付申請
  • 資格外活動許可申請
  • 在留カードの住居地以外の記載事項変更届出
  • 在留カードの有効期間更新申請
  • 在留カードの紛失等再交付申請
  • 在留カード汚損等再交付申請
  • 在留カードの交換希望による再交付申請
  • 在留カードの再交付申請命令による再交付申請
  • 在留資格変更許可申請
  • 在留期間更新許可申請
  • 在留資格の変更による永住許可申請
  • 在留資格取得許可申請
  • 在留資格の取得による永住許可申請
  • 再入国許可申請
  • 就労資格証明書交付申請
  • 申請内容の変更申出
  • 在留カードの受領

少し細かな話にはなりますが、在留資格認定証明書交付申請においては、所属機関は申請等取次者としてではなく、代理人として外国人の代わりに申請を行います。

申請取次の対象となる外国人

所属機関が代わりに申請取次ができるのは、以下の外国人のみです。所属機関と雇用関係にない外国人やその家族の申請取次はできません。

  1. 所属機関で雇用している外国人
  2. 所属機関でこれから雇用しようとしている外国人
  3. 上記1.2の扶養を受けている同居の配偶者又は子供

所属機関の職員が「申請取次者」になるための手続き

所属機関の職員とは

次の条件を満たす所属機関の職員であれば、派遣社員や事務パートでも職員とみなされます。

  1. 継続して日常的に業務を行っている職員
  2. 所属機関(会社)の指示に従って働いている職員(請負などではないこと)
  3. 所属機関の正社員と同じ業務を行い、業務に精通している職員

手続きの内容

必要書類を所在地を管轄する地方出入国在留管理局または管轄下の出張所に提出します。

出入国在留管理局の管轄については各地方出入国在留管理官署の管轄又は分担区域の一覧をご覧ください。

書類の提出方法

提出方法は次の2つから選択できます。

  • 窓口にて提出
  • 郵送で提出

必要書類

提出に必要な書類は以下の9点になります。

  1. 提出書類一覧・確認表
  2. 申請等取次申出書
  3. 申請取次者になろうとする職員の写真(3. 0cm×2. 4cm)2葉
  4. 申請取次者になろうとする職員の経歴書(外国人の場合は+在留カードのコピー)
  5. 申請取次者になろうとする職員の在職証明書
  6. 出入国在留管理行政に関する研修会を受講したことを証する文書
  7. 法人の場合 : 登記事項証明書/個人の場合 : 住民票の写し
  8. 本人確認書類のコピー
  9. 返信用封筒

詳しくは、受入れ機関等の職員の方 | 出入国在留管理庁をご覧ください。

まとめ

特定技能外国人を自社で支援する場合には、社内の職員が申請取次者として手続きを行える体制を整えておくことが大きな助けになります。申請取次者は複数名登録することも可能なため、担当者の業務負担や急な人事異動にも柔軟に対応できます。

次回のブログ記事では、申請取次者として届出を済ませた職員が、オンライン申請や電子届出を利用するために必要な具体的な手続きについて、順を追って詳しくご紹介する予定です。

また、自社支援を検討しているものの「どこから始めればよいのか分からない」という方は、どうぞ行政書士長尾真由子事務所までお気軽にご相談ください。状況に合わせて、最適な導入方法をご提案いたします。

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この記事を書いた人

大阪府箕面市の行政書士です。
・趣味:美術鑑賞、散歩
・スポーツ:卓球、テニス
・座右の銘:失敗は成功のもと
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