必要書類一覧(新規申請)
MWO申請とは
フィリピン人の技能実習生を受け入れるときには、特定技能フィリピン人を雇用する時と同様に、MWO申請をする必要があります。MWOとは、「Migrant Workers Office(移住労働者事務所)」のことで、海外で働くフィリピン人を保護するためのフィリピンの政府機関です。
MWO申請の詳しい解説については、以下のブログ記事をお読みください。

特定技能のMWO申請との違い
これまで、当事務所のブログ記事では、主に特定技能でフィリピン人を雇用する場合のMWO申請についてお話ししてきました。
今回は、フィリピン人の技能実習生を受け入れる場合のMWO申請について、お話ししていきます。
日本側で行う在留資格申請の場合と同様、フィリピン側で行うMWO申請でも、特定技能と技能実習では、制度も書類も変わってきます。
まず、制度上の違いですが、フィリピン側の送出機関と協定書を結ぶ日本側の相手方が異なります。
- 特定技能ー送出機関(PRA)と受入れ機関(所属機関)
- 技能実習(団体監理型の場合)ー送出機関(PRA)と監理団体
つまり、特定技能でDMW(旧POEA)に登録されるのは受入れ機関ですが、技能実習では監理団体が登録の対象となるということです。
ですので、受入れ機関が監理団体を変更した場合は、例えフィリピン人技能実習生を受入れ中であったとしても、新しい監理団体の登録が必要となります。
技能実習での必要書類一覧(新規申請)
以下に、監理団体の新規申請で必要な書類をリストにしてみました。
- 監理団体許可書(英語訳必要)
- 監理団体許可条件通知書(英語訳必要)
- 監理団体の登記簿謄本(英語訳必要)
- 監理団体及び送出し機関の協定書
- 技能実習求人通知(POLO TITP様式No.2018-01)
- 実習実施機関の従業員人数の証明書(POLO TITP様式No.2018-01a)
- 技能実習計画審査基準の写し(英語訳必要)
- 技能実習実施予定表(英語訳必要)
- 雇用契約書及び雇用条件書(外国人実習生機構様式 1-14号)
- 雇用契約書の補遺文書
- 共同宣誓供述書
見ていただければお分かりになる通り、英語訳が必要な書類が5種類もあります。この中には、外国人実習生機構(OTIT)のホームページから取得して利用できる英訳もありますので、以下で詳しく説明していきます。
- 翻訳には翻訳者の署名が必要です。
- 翻訳者が日本人の場合は捺印が必要です。名前は記名でかまいません。翻訳者が外国人の場合は、署名が必要です。
- 翻訳者はプロでなくてもかまいません。
- 監理団体や受入れ機関の英訳名を全ての書類において統一してください。
各書類の説明
それでは、一つ一つの書類の解説をしていきます。
1.監理団体の許可証(英語訳必要)
法務省と厚生労働省によって発行された許可証の写しとその英語訳が必要です。
許可書は有効期限が切れていないか確認をしましょう。
別紙がある場合はそれも提出しますので、別紙の翻訳も必要です。
「取扱い職種」の一覧の英訳を、外国人実習生機構(OTIT)のホームページから取得することができます。
ただし、これは「取扱い職種」の一覧であって、「参考様式第2-16号」の形にはなっていませんので、翻訳された文字をエクセルに落とし込む必要があります。
英語訳はこちらから→List of Job categories and codes eligible for shifting to Technical Intern Training (ii)
2.監理団体許可条件通知書(英語訳必要)
法務省と厚生労働省によって発行された通知書の写しとその英語訳が必要です。
3.監理団体の登記簿謄本
法務省が発行した監理団体の登記簿謄本(全部事項証明書)とその英語訳が必要です。
登記簿謄本は申請の3カ月前より後に発行されたものを用意してください。
登記事項証明書は、当該登記簿の会社の関係者でなくとも取得することができます。要するに誰でも取得できますので、委任状なども必要ありません。商業登記法にも以下のように記載されています。
((登記事項の概要を記載した書面の交付)
第十一条何人も、手数料を納付して、登記簿に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。
商業登記法 | e-Gov 法令検索(抜粋 2024-10-20)
4.監理団体及び送出し機関の協定書
英語で「Recruitment Agreement」と言います。POEAテンプレートがMWO大阪のホームページに用意されていますので、そちらを使用します。
日本側(監理団体)で記入してフィリピン側(送出し機関)に送る場合もあれば、フィリピン側が作成して日本側に送ってくれる場合もあります。どちらが書類を作成するかは、送出し機関との契約時に確認しておきましょう。
「Recruitment Agreement(協定書)」は公証役場にて署名認証が必要です。これは「Joint Afifdavit of Undertaking(共同宣誓供述書)」と一緒に認証してもらいます。公証をもらってから6か月以内のものを用意してください。以下のブログ記事で、MWO申請での公証について詳しく解説していますので、合わせてお読みください。

特定技能のMWO申請の場合は、日本側の署名者は受入れ機関(所属機関)の代表者ですが、技能実習の場合は、監理団体の代表者となりますので注意してください。
全てのページに署名と捺印が必要です。
5.技能実習求人通知(POLO TITP様式No.2018-01)
POEAテンプレートがMWO大阪のホームページに用意されています。


送出し機関宛で作成します。技能実習生の職種、求人数、給料を記載します。その他の項目を埋め、全てのページに監理団体の代表者が署名し、実印を押印してください。
実習実施機関が実習実施予定表と一致しているか確認をしておきましょう。
6.実習実施機関の従業員人数の証明書(POLO TITP様式No.2018-01a)
POEAテンプレートがMWO大阪のホームページに用意されています。

技能実習生と日本人の給料を確認するための書類です。比較対象となる日本人の給料が高い場合、弁明が必要となるそうです。また、検証のために日本人労働者の給与明細の写しとその英訳が必要になることがあるそうです。
実習実施者の署名、捺印が必要です。
7.技能実習計画審査基準の写し(英語訳必要)
厚生労働省が定める「技能実習計画審査基準」の写しが必要です。外国人技能実習機構(OTIT)のホームページからダウンロードすることができます。こちらは英訳付きのものをダウンロードできますので大変便利です。
8.技能実習実施予定表(英語訳必要)
監理団体が認定申請時に作成した「技能実習実施予定表」とその英訳が必要です。
実習実施機関と就業場所が「技能実習求人通知書」と「雇用契約書及び雇用条件書」と一致していることを確認して下さい。また、合計時間が「雇用契約書及び雇用条件書」と一致しているかも確認しましょう。
9.雇用契約書及び雇用条件書(外国人技能実習機構様式 1-14号)
監理団体の方なら良くご存じの、「雇用契約書及び雇用条件書」です。機構様式をそのまま使用することができますが、MWOに提出する書類には技能実習生の名前は入れません。ですので、人数分用意する必要はなく、提出は1部で大丈夫です。
英語版でなくとも、タガログ語版を使用してもかまいません。
署名欄だけでなく、全てのページに監理団体の代表者の署名と実印、送出し機関の代表者のサインが必要です。
10.雇用契約書の補遺文書(POLO TITP様式No.2018-02)
「雇用契約書及び雇用条件書」の補足文書です。こちらもMWO大阪のホームページからダウンロードすることができます。


全ページに実習実施者の署名と捺印が必要です。技能実習生のサインは要りません。
11.共同宣誓供述書
MWO大阪のホームページからダウンロードできますが、日本語訳はついていません。
「4.監理団体及び送出し機関の協定書」でお伝えした通り、協定書と一緒に公証を取得します。
全ページに、送出し機関の代表者のサインと監理団体の代表者の署名と捺印が必要です。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
技能実習生を、監理団体が初めて受け入れる際に行うMWO申請で、必要とされる書類は以下の通りです。
- 監理団体許可書(英語訳必要)
- 監理団体許可条件通知書(英語訳必要)
- 監理団体の登記簿謄本(英語訳必要)
- 監理団体及び送出し機関の協定書
- 技能実習求人通知(POLO TITP様式No.2018-01)
- 実習実施機関の従業員人数の証明書(POLO TITP様式No.2018-01a)
- 技能実習計画審査基準の写し(英語訳必要)
- 技能実習実施予定表(英語訳必要)
- 雇用契約書及び雇用条件書(外国人実習生機構様式 1-14号)
- 雇用契約書の補遺文書
- 共同宣誓供述書
初めてのMWO申請で、「何から始めて良いのか分からない」、「翻訳アプリで英訳してみたけれど、これで良いのか自信がない」、「書類の書き方が分からない」、「いったいどの書類に誰の署名と捺印が必要なのか混乱する」などのお悩みがございましたら、行政書士長尾真由子事務所にお問い合わせ下さい。
MWO申請の経験のある女性行政書士が、親身になってお手伝いをさせて頂きます。ご依頼をいただくまでの相談料は実質無料です(料金が発生するのは「行政書士業務委任契約書」を交わしてからとなります。)。