「MWO新規申請」における「署名認証」とは
前回のブログ記事では、初めてMWO申請を行う際の、MWO(移住労働者事務所)に提出する書類について解説しました。MWO申請はDMW(移民労働者省)に受入れ機関の登録をして、OEC(海外雇用許可証)をフィリピン人労働者に発行してもらうために必要な手続きです。
このMWO申請に必要な書類の中に、RA(フィリピンでの人材募集および雇用に係る取決め書(協定書))があります。これは、日本の受入れ機関とフィリピンのPRA(政府公認の認定送出機関)が業務提携をするための契約書になります。
フィリピンのPRAは海外の組織であるため、RAの署名や印鑑が本物であるかどうかの判断ができません。このことを解決するために編み出されたのが、公的機関による認証です。
MWO申請のRAは英語で書かれた私文書ですので、「外国文認証」の手続きが必要になります。外国文認証の場合、手数料は11500円となります。
よく間違われるのですが、日本の官公署、自治体等が発行する、公文書に対する外務省の証明である「アポスティーユ」とは異なる手続きです。アポスティーユはMWOに提出するRAには必要ありません。
RAの「外国文認証」の手続きの流れ
RAにはフィリピンの送出機関の代表者のサインが必要です。送出機関は基本的にはフィリピンにありますので、サインをもらうにも日数がかかります。必要書類の中でも最初の方に作成すべき書類です。
RAには日付を記入する欄がありますが、書類の日付(もしくは署名日)が認証日より未来のものには認証してもらえません。ただし、書類の日付が認証日であれば問題ありません。
- RAのひな形をMWOのホームページからダウンロードする。
- 必要事項を記入し、PRA(フィリピン政府公認の認定送出機関)に送ってサインをもらう。
- 日本の受入れ機関が法人の代表者印を押印する。
- 最寄りの公証役場(管轄などはありません)に必要書類と手数料(11500円)を持って出向く。
- フィリピンの外国文認証をお願いする。
- 委任の場合は委任状と身分証明書を出す。
- 出向いた者のサインをする。
- 手数料を支払う。
- 認証を受けたRAを受け取る。(登記簿謄本や印鑑証明書を返却して欲しい場合は、最初に言っておきましょう。)
- 他の書類と共に管轄のMWOに送付する。(公証役場でRAに付されたホッチキスを外すと認証が無効になりますので、絶対に外さないで下さい。)
RAの「外国文認証」に必要な書類
署名者本人が公証役場に行く場合
RAの原本(受入れ機関と認定送出し機関の代表者の署名と印鑑のあるもの) | 旧ひな形を使用した場合は、Joint Affidavit of Undertaking(共同宣誓供述書)も必要です。https://mwoosaka.dmw.gov.ph/からダウンロードできます。 |
署名者本人の身分証明書 | 運転免許証やパスポートなどの顔写真付きの公的な身分証明書 |
法人(代表者印)の印鑑証明書 | 発行から3ヶ月以内のもの |
法人の登記簿謄本 | 発行から3ヶ月以内のもの 現在事項証明書、全部事項証明書、履歴事項証明書、代表者事項証明書いずれのタイプも可 |
カード払いが可能なところもあります。その場合は、事前に確認をしてから行って下さい。
代理人が公証役場に行く場合
RAの原本(受入れ機関と認定送出し機関の代表者の署名と印鑑のあるもの) | 旧ひな形を使用した場合は、Joint Affidavit of Undertaking(共同宣誓供述書)も必要です。https://mwoosaka.dmw.gov.ph/からダウンロードできます。 |
代表者である署名者本人から代理人への委任状 | サンプル(法人代表者用委任状) WORD PDF 参考(書き方コメント付) 代表者印の押印が必要 書類名・それぞれの件数の明記が必要 |
法人の代表者印の印鑑証明書 | 発行から3ヶ月以内 |
法人の登記簿謄本 | 発行から3ヶ月以内のもの 現在事項証明書、全部事項証明書、履歴事項証明書、代表者事項証明書いずれのタイプも可 |
代理人の身分証明書 | 運転免許証やパスポートなどの顔写真付きの公的な身分証明書 |
カード払いが可能なところもあります。その場合は、事前に確認をしてから行って下さい。
丸の内公証役場 (maru-notary.com)(参照 2024-10-9)
RAの「署名認証」前の確認事項
- 私文書には肉筆の署名(もしくは印鑑証明がある印での記名押印)があるか。
- 署名の日付が未来日付になっていないか。
- 空欄がないか。
- 認証当日に役場に行くのは署名者本人か代理人か。
- 持参する書類のことを理解しているか。
法人代表者(代表取締役)としての署名 が必要です。
※署名者として法人名、役職名、氏名を明記して下さい。ひな形に欄がありますので、そちらに記入すれば問題ありません。日本側の手続きである署名認証では、法人の代表権のない社員としての署名も認められていますが、RAのひな形では代表者の署名が求められています。
署名の日付は認証当日か過去の日付であれば問題なく認証が可能とのことです。
認証は完成された書類をもって受けてください。空欄があると、事後に書き加え
られた場合に争いの元になる可能性もあることから、空欄がある場合には埋めるよう指示されるそうです。
当日公証役場に行く方が、法人の代表者なのか代理人なのかで、持参する書類が変わります。
詳しくはこの記事の「RAの「外国文認証」に必要な書類」をご覧ください。
RAは私文書であり、英語で書かれた外国文ですので、「外国文認証」が必要です。合わせて英語表記もお願いしてください。
提出先はフィリピンです。
上記の項目は、認証の際に聞かれることもありますので、当日公証役場に行く方は、どんな書類を認証してもらうのかを把握しておいて下さい。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
RA(Recruitment Agreement/フィリピンでの人材募集および雇用に係る取決め書(協定書))の署名認証は、公証役場に行って手続きをしなければならず、少々面倒な作業です。
また、複数の書類も必要になってきます。代理人を立てる場合はさらに委任状が必要です。
どの書類をどのような手順で作成していけば良いのかも、慣れない受入れ機関にとっては頭の痛いところです。
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